MANGA in New York その心は?

 ソニー企業株式会社が手がける銀座ソニーパークプロジェクトは、マンハッタンのスタジオ525(西24丁目525番地)で、10月27日から今月5日まで「マンガ・イン・ニューヨーク」を開催している。2024年に完成予定の「新・銀座ソニーパーク」始動に向けた海外で初の実験的エキシビションで、6組のアーティストが「パイオニア」「夢」「多様性」「創造性」「好奇心」「誠実さ」の価値観に合わせた作品を発表している。

(写真) 展示会場で作品を説明するソニー企業株式会社代表取締役社長・チーフブランディングオフィサー、永野大輔氏。後方の作品はますだみくの『インタールード』(10月27日、チェルシーのスタジオ525で、写真・三浦良一)

 会場は、オリジナルのマンガにソニーのテクノロジーを掛け合わせ、その作品が展開する場面の匂いや水没したマンガ場面を見ながら歩くと水中歩行の感触が伝わるユニークな刺激を盛り込んでいる。体感型とは言っても、6作品に共通しているのは、あくまで表現方法として「日本のマンガのフレームワーク」をしっかりと守った2次元の世界を構築していることだ。

 ソニーはアニメ『鬼滅の刃』など人気作品も手がけているが、ソニー企業株式会社の永野大輔社長は「皆さんに知られている作品を持ってくる方法もあったが、それだと作品、コンテンツのプロモーションになってしまうので、あくまでマンガのフレームワークを伝えるということにこだわった。今回、マンガというフレームワークを使ってソニーがやっているソニーパークという試みがユニークなものであると感じてもらいたいし、パークがユニークならソニーもユニークだということになる」と。

 同社は2018年から21年まで東京銀座の自社ビルの工事過程の途中を都市公園として市民に開放し、大都市の中の公園のあり方の新しいモデルの定義を作りだそうとしている。その原点になったのが2016年に永野社長が当時ニューヨークで見たチェルシー地区の鉄道廃線高架レール跡を公園にしたハイラインであり、ミッドタウンのかつては荒廃した危険な場所から見事に復活したブライアントパークだった。「公園っていうのは、余白部分があって、来園者の方に使い方を委ねている所があります。来園者が使い勝手を決める。そこで気持ちを静めたり、エキサイトしたりモードチェンジするんです。今回チェルシーという、いわば世界のアートのど真ん中に異質なマンガを持ってきたのも、マンガを切り口にしたモードチェンジの公園を表現する実験としてこの場所にマンガを持ってきたのです。マンガはアートに寄り過ぎないニューヨーカーやアメリカ人に好まれそうな画風を選んで持ってきています」という。

 そこにはマンガがアートに近づいて行ったとしても、アートの牙城であるチェルシーで、アンディー・ウォーホルと競えるのかというとそれは土俵が違うと自認するアートへの畏敬の念が働いている。ウォーホルが生きていて16ページのグラフィック・ノベルズを描いたり、リキテンシュタインがコマ割りでアメコミを描いたりすればARTとMANGAの歩み寄りにはなるだろうが、日本のマンガは、アートとは次元の異なるポップカルチャーであり、むしろ文学の延長線上にある存在だということを会場に足を踏み入れた来場者たちは感じ取るはずだ。それを意識させる6作品は、構想提案から2か月でネームを作り絵を仕上げたという。参加作品と作者は次の通り。『うえだとささみ』(一乗ひかる)、『ウォーカーズ』(寺田克也)、『電遊道中膝栗毛』(たかくらかずき)、『案内人』(平岡政展)、『インタールード』(ますだみく)、『ドリームピル』(ミレニアム・パレード)。 

混沌東京描くDREAM PILL

2次元でも臨場感ミレニアム・パレード

作品の展示空間に立つ左から佐々木さん、荒居さん、森さん(10月27日、Studio 525 で)

初めての創作だからこその鮮度

 銀座ソニーパーク・プロジェクトが主催するマンガ・イン・ニューヨーク(Studio 525/西24丁目525番地)に参加している日本人アーティスト6組のひとつ、ミレニアム・パレードは他の作家たちとは異色だ。同チームは、プロデューサー/ソングライターである常田大希を中心とした、ミレニアム世代のミュージシャン、映像ディレクター、CGクリエーター、デザイナー、イラストレーターなどさまざまなセクションを内包する新しいスタイルのバンドだからだ。

 作品『ドリーム・ピル』は、西暦2045年の東京をイメージした仮想世界「混沌東京」で享楽的な生活を送る少年Aがドリームピル(夢見る薬)を手にして新たな没入体験を得る内容。展示会場に足を踏み入れると水没した部屋の床を踏みしめるような体感をソニーの技術を駆使して得られる演出が施されている。アニメ『攻殻機動隊SAC2045』、細田守監督『竜とそばかすの姫』の主題歌を務めるなど音楽による漫画世界との関わり持ってきたメンバーだが実際に自分たちの手でマンガ作品を創作するのは今回が初めての挑戦だったという。

 ストーリー設定を担当した佐々木集さん(31、京都府出身)は「16ページの中でどう世界を表現していくか新しいチャレンジだった」と語り、メインビジュアルの森洸大さん(33、神奈川県出身)はアートディレクションとグラフィックパートを担当、全体の絵の監修をした荒居誠さん(33、岐阜県出身)はエアブラシを自作してアプローチの独自性を探ったという。一コマ一コマが絵画のような書き込みと退廃した近未来の大都会の陰影に若者がどう対峙するかが丁寧に描かれる。かつてケント紙にGペンで線を引いていた漫画家たちがペインターツールでデジタル画像を操る現代だけにどう描くかではなく何を描くかを問う作品で勝負している。展示は今月5日まで。  (三浦)

国吉康雄のスケッチ画、アート・スチューデンツ・リーグで展示中

 アート・スチューデンツ・リーグ2階のフィリス・ハリマン・メイソン・ギャラリーで同美術学校で学んだ海外のアーティスト25人の作品を集めた「ア・リーグ・オブ・ネイションズ」展が11月30日まで開催されている。展示作家の中に国吉康雄(1889〜1953)、宮本和子(1942〜)、斉藤喜久雄(1939〜2016)の3人の日本人アーティストの作品が展示されている。

 国吉は1889年、岡山市内で生まれ、1904年に岡山県立工業学校の染料科に入学したが、1906年に退学し、カナダ経由で米国に渡った。国吉の米国生活はシアトルから始まり、鉄道工夫、農業労働者、ホテルの雑役夫により糊口を凌いだ。次いでロサンゼルスに移動して肉体労働に従事する傍らに公立学校に通い、その後スクール・オブ・アート・アンド・デザインに入学して画学生となった。1910年に国吉はニューヨークに移動し、ナショナル・アカデミーに入学するが3か月で退学し、その後1914年にインディペンデント・スクール・オブ・アーツに入学した。この前年にはヨーロッパのモダニズム芸術を紹介して米国の保守的な美術界に衝撃を与えたアーモリー・ショーが開催されたが、国吉自身は仕事のためこれを直には見ていない。しかしアーモリー・ショーがもたらした熱気に国吉も人づてながら触れていたとされる。国吉は更にヘンリー・スクールを経て、1916年にアート・スチューデンツ・リーグ・オブ・ニューヨークに入学し、ケネス・ヘイズ・ミラーの指導を受けた。アート・ステューデンツ・リーグの在学中に、国吉はジュール・パスキンやロイド・グッドリッチなど後に国吉を支える多くの人物と出会った。展示されているのは無題でメーン州の景色のスケッチ画。同校永久コレクションから。展示資料によると1929年にニューヨーク近代美術館(MoMA)で最初の展覧会が行われ、32年にはラジオ・シティー・ミュージックホールの化粧室に壁画を描いたとある。

The Art Students League

Phyllis Harriman Mason Gallery, 2nd Floor

215 W 57th Street, New York 10019

性同一性障害者の手術強制は違憲、国籍はく奪法は合憲

 9月28日最高裁の第一小法廷は、国籍はく奪条項違憲訴訟の上告を棄却しました。国籍法11条1項によって、外国籍を取得したとたんに日本国籍が自動的に奪われます。その結果、日本国内にいながら日本国籍を失った人、海外在住で日本国籍を失った人、国籍を失ったことを知らずに日本に帰国して不法滞在外国人とされた人、海外在住日本人で日本国籍を失いたくないために現地に帰化できない人などが多く存在します。

必要に駆られて外国籍を取得した南部陽一郎、中村修二、眞鍋淑郎などのノーベル賞受賞者も日本国籍をはく奪されました。

 他方、最高裁大法廷は10月25日「性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更するには生殖能力をなくす手術を受ける必要があるとする法律」は、「意思に反して体を傷つけられない自由を制約しており、手術を受けるか、戸籍上の性別変更を断念するかという過酷な二者択一を迫っている」として憲法違反との判決を下しました。

 この二つの訴訟に関する判断の枠組みは、原告弁護団の仲晃生弁護士によれば以下のように全く同じです。①懸念される問題が生じることは極めてまれ。②代替手段がある。③問題が起きていない。④問題が起きるとは考えられない。⑤制約の必要性の低下。⑥合理的関連性の消滅。⑦過酷な二者択一。⑧制約を課さない国の増加。

 にもかかわらず、性同一性障害者の手術強制は憲法違反で、国籍強制はく奪は合憲というのはあまりに矛盾します。

 原告側は、10月26日①多くの学者が国籍法11条は違憲であることを指摘している。②最高裁で判断が示されたことのない重要な憲法上の争点を含む。③裁判所法10条によれば大法廷で審理すべきにもかかわらず小法廷で門前払いのように棄却した。④憲法上の重要な争点についての判断から逃げた。との推論から、最高裁判所に再審の訴えを起こしました。

 6月にLGBT支援法をG7諸国の中で最後に成立させた日本でも、やっと性同一性障害者の手術強制憲法違反が確定しました。

 多くの海外日本人を守ることは日本の国益であり、国籍はく奪条項を変えるために、今こそ国会と国民が声を高める時です。

 ふじた・ゆきひさ=慶大卒。世界的な道徳平和活動MRAや難民を助ける会で活動した初の国際NGO出身政治家。衆議院・参議院議員各二期。財務副大臣、民主党国際局長、民進党ネクスト外務大臣、横浜国立大講師等歴任。アメリカ元捕虜(POW)の訪日事業を主導。現在国際IC(旧MRA)日本協会会長。岐阜女子大特別客員教授。

マウイ島に寄付

NY日本人美術家協会

NY日系ライオンズと共に


今年のJAANY展覧会

 ニューヨーク日本人美術家協会(JAANY、松田常葉会長)は8月31日から9月14日まで開催した第51回年次展覧会で8月に発生したマウイ島山火災による被災者救援のため売上作品価格の50%を寄付に充てるチャリティ小作品展を併設。作品展で集まった寄付金835ドル50セントとNY日系ライオンズクラブ(三木伸夫会長)からの寄付を合わせた3000ドルが10月24日、NY日系ライオンズクラブを通じてハワイ・ライオンズ・ファウンデーションに寄付された。同ファウンデーションはライオンズクラブ国際協会50地区(ハワイ諸島)を統括、支援金受付窓口となり直接被災地に物資支援を行っている。寄付の小切手は、ハワイホノルルでNY日系ライオンズクラブ新谷佳子会員から同ファウンデーションのリンダ・ロス・マイヤーズ会長に手渡された。

日系社会の駆け込み寺、JASSIが晩さん会

本多さんを表彰、矢野さん熱唱

 日米ソーシャルサービス(JASSI、望月良子理事長)は10月26日、イエールクラブで創立42周年記念晩餐会を開催し115人が参加した。同団体は1981年創立以来、福祉サービスを無償で提供しているニューヨーク州認定非営利団体。日常生活をする上で直面する問題から、言語、文化および制度の違いによって生じる複雑な問題まで、支援を必要とする人たちの生活の質の向上を図ることをミッションに、専門教育・訓練を受けた日・英バイリンガルスタッフが守秘義務遵守のもと無料で相談に応じている。 

演奏後に花束をもらい笑顔の矢野さん(右)

 特別ゲストの音楽家・矢野顕子さんがピアノ弾き語りで、春先小紅、Prayer、ごはんができたよ、ひとつだけの4曲を歌った。続いてニューヨーク総領事の森美樹夫大使がJASSIの日系社会への貢献に感謝するスピーチを行った。

 今年のJASSIのコミュニティー・リーダー賞がシティ・ケア・ファミリー・プラクティスの本多桂子さんに贈られた。本多さんは、シティ・ケア・ファミリー・プラクティスを拡充し、日本語で説明が必要な患者に日本語で対応できる体制を整備するなど貢献した。本多さんは「栄誉ある賞をいただき大変光栄です。JASSIの活動とスタッフ皆様の献身的な努力に触れ、こんな素晴らしいサポート団体が存在する日本人であることを誇りに思います」と喜びを語った。(写真上)望月理事長(右)からコミュニティ・リーダー賞を受ける本多さん(左)

 最後に岡崎奈津子ディレクターがJASSIの活動報告を行った。昨年のホットライン対応総数は高齢者の対応も含め、6275件だった。現在81歳になるひとり暮らしの男性が、認知の問題で公的支援やアパートのリース更新を滞っていたケースが映像で流され、高齢者の問題解決は時間を要することや、JASSIの献身的なサポートが紹介された。当日は女優の合田沙おりさんが総合司会を務めた。

腸を大切にする習慣を、NY日系人会でオンライン講座

日本美腸協会認定講師

松山友美さん

 ニューヨーク日系人会(JAA)と邦人医療支援ネットワーク(JAMSNET)が共催する第17回秋のヘルスフェア(後援:ニューヨーク日本総領事館)で、日本で人気の有名講師陣がYouTubeで講演配信する恒例の「ライオンズ大学・大人の教養講座シリーズ」第7弾が9月21日から10月1日まで開催された。講師陣はファーストブランド社(本社大阪市、河本扶美子社長)が運営するマイベストプロ登録の専門家3人。企画はNY日系ライオンズクラブ。 

 第3時限の講義は、一般社団法人日本美腸協会認定講師の松山友美さん(鹿児島県鹿児島市)に「人生が180度変わった、私に合ったやり方で腸レッスン」と題して講演した。 

 大腸がんによる死亡数は日米で格差がある。日本で2017年の死亡者数は5万681人。米国での同年の死亡者数5万260人と人数は大差ないが、アメリカの人口は日本の2・75倍なので、日本の方が圧倒的に死亡率が高いことになる。その理由は、検診の状況に差があり、アメリカの人の方が受ける意識が高いため。日本はまだまだ検査を受ける人が少ないので検査に対する意識をまず持つことが必要だ。  

 次の項目で自分にあったものをチェックしてみよう。◇20分以上の運動を週に2回している。◇朝スッキリ起きられる。◇日頃イライラすることが少ない。◇毎日決まった時間に排泄する。◇朝食を摂っている。◇野菜を1日3回食べている。◇外食(コンビニ・ファストフード)は週に3回以下。◇水を1日1・5リットル以上飲んでいる。◇毎日お風呂は湯船に浸かる。7個以上イエスなら「美腸」、4〜6個なら「普通腸(危険腸)」、3個以下なら「汚腸」。  

 小腸の働きは、食べ物の消化吸収、免疫細胞の集中、セロトニンの生成分泌。腸の働きには食品添加物の入った食品の摂取を控えることが大切。大腸の働きは、便の形成、腸内細菌(善玉菌、悪玉菌、日和見菌)がある。2対1対7のバランスが大事。菌のエサになるものをよく食べることが大切。主に植物繊維、水溶性の植物繊維、発酵食品など。納豆やなめこ、長芋、山芋、オクラ、海藻類、熟したバナナ、りんごが良い。腸の活動におすすめな食材は、味噌、醤油、酢、甘酒などの発酵食品。植物性の乳酸菌がおすすめ。漬物やキムチなど。 

 腸の働きにプラスになる習慣は、朝、コップ一杯のぬるめの水を飲むこと。少量でも朝食は摂ること。朝日を浴びること。毎朝トイレに座る習慣をつけること。座る時間が長い人は定期的に立って体を動かすこと。湯船にはぬるめのお湯にゆっくり浸かること。リラックスできる時間を作ること。夕食は寝る3時間前には食べること。動画に関する問い合わせはNY日系人会、電話212・840・6942、Eメールinfo@jaany.org まで。

コスメプラウドが21日無料美容セミナー開催

青木恵子さんが講演

 アンチエイジングに特化した高級基礎化粧品メーカー、コスメプラウドジャパン(本社東京、荒木勝也代表)は11月21日(火)午後6時から、NY日系人会(西45丁目49番地5階)で、「美肌美人の秘訣教えます!」と題した新製品紹介・冬の美容セミナーを開催する。

 当日は、スペシャルゲストのブランディングコンサルタント青木恵子氏による講演「女性として、いつまでも若く老けない秘訣」のほか、荒木代表が「化粧品業界の動向と現状」「秋から冬にかけての肌の手入れ、乾燥対策」「コスメプラウド既存商品の紹介・説明」「新製品ゴールドネック&デコルテエストロリフティングクリームの説明と使用方法(開発秘話)」などを解説する。また、参加者には人気商品のファンデーションやサンプルセットが進呈されるほか、同社全商品の特別価格での販売や抽選会も催される。

 参加費無料・要予約(定員50人)。希望者は11月17日までにEメールinfo@cosmeproud.co.jp、または電話011・81・3・6228・4800(担当:堀井・久保・浅羽さん)まで申し込む。

はっぴいえんど、2作品がアナログ盤で発売

ソニー・ミュージックレーベルズ

 伝説のロックグループ、はっぴいえんどの『はっぴいえんど』『風街ろまん』の2作品が11月3日、アナログ盤で再発売される。はっぴいえんどは、それぞれがのちに日本の音楽界に多大な功績を残すことになる細野晴臣、大瀧詠一、松本隆、鈴木茂によって1969年に結成されたグループ。「日本語ロックの礎」を築いたと言われ、その後のJロックやJポップの源流となった。

 代表曲「風をあつめて」(『風街ろまん』収録)は、ソフィア・コッポラ監督の映画「ロスト・イン・トランスレーション」(2003年公開)の挿入歌として印象的に使われるなど、海外でも人気も高い楽曲。また同作品はシティポップの元祖とも言える楽曲で、国内外のZ世代のミュージック・ラバーたちにも聴き継がれている。

 アナログ盤は、オリジナルマスターからMIXER’S LABの北村勝敏氏による最新カッティング、国内プレスを行うことで「オリジナル音源を忠実に再現」する作品となっている。また『はっぴいえんど』はクリアレッド盤、『風街ろまん』は透明クリア盤と、初のカラーレコード盤でのリリースとなる。発売はソニー・ミュージックレーベルズ。米国ではLight in the Atticから購入できる。定価40ドル。

https://lightintheattic.net/products/happy-end-sony-japan

吉田実代第2戦決定11月7日

女子プロボクシング

インターコンチネンタルタイトルマッチNYで

 日本の女性プロボクサーで「闘うシングルマザー」の異名を持ち、一昨年5月までWBO女子世界スーパーフライ級王者として世界チャンピオンの座に君臨した吉田実代(35)が、米国ニューヨークの名門ボクシングジム「グリーソンズ・ジム」(ブルックリン、エド・シルバーグレード代表)に移籍して1年。モハメド・アリ、マイク・タイソンら多数の名世界王者を生み出した名門ジムから今年4月に米国デビュー戦を勝利で飾った。その第2戦目インターコンチネンタル・タイトルマッチ(バンタム級)が11月7日(火)タイムズスクエアのエジソン・ボールルーム(西47丁目240番地)で開催される。対戦相手はダラス出身で世界ランキング4位米国第1位のシュレッタ・メトカリフ。

ネイルサロンでテンションもアップ

 吉田は初代日本女子バンタム級王者と2階級制覇した実力の持ち主で、バンタム級での参戦は今回5年ぶり。夏の試合が2回流れたため減量と体重調整が続き体調管理に神経を使ったという。キック14戦、総合3戦、ボクシング20戦とプロで37戦目のベテランだが試合前はいつも緊張するという。そんな練習づくめの吉田をリラックスさせようとヘアとネイルで試合スポンサーとなったネイルサロン「マディソン25」が10月26日グリーソンジムの名前やチャンピオンベルト、日米の国旗をあしらったネイルを施してくれた=写真=。「テンションめっちゃ上がります」と喜ぶ吉田。ネイリストはマネージャーのアキコさん。ブルックリンのヘアサロン・HAZUKIとネイルサロンmiGakのオーナー石原大地さん、静香さん夫妻が経営する店で今年5月にマジソン街の48丁目のビル内にオープンした。吉田さんは試合や年間スポンサーをNYの日系企業になってもらえないか希望している。現在整体のファンクフィジオ、JWNが試合のコスチュームスポンサーとなっている。観戦チケットは125ドルから。購入は Telecharge.com 電話800・447・7400。試合の名前は「Heroes On The Hudson 11/7」。 

 (三浦良一記者、写真も)

日本の短編映画祭

第12回NYジャパン・シネフェスト

3日と4日に開催

 「日本」をテーマにインディペンデント短編映画を米国で紹介する、第12回ニューヨーク・ジャパン・シネフェスト(NYJCF)が11月3日(金)と4日(土)にアジアソサエティー(パーク街725番地、70丁目)で開催される。主催はアジアソサエティとマークリエーション、協力・日本大使館広報文化センター、ショートショート・フィルムフェスティバル&アジア、あいち国際女性映画祭、ボストン日本映画祭、東京インディペンデント映画祭。

 3日のオープニングナイトにはワシントンDCの日本大使館広報文化センターがNYJCFとセレクトした「NYJCF×JICC」、4日は午後1時から提携する日本映画祭からの推薦作品を集めた「ジャパニーズ・フィルム・フェスティバル」、午後3時30分からは20分以上の長さの短編4本からなる「ロングストーリー・ショート」の3プログラムが上映される。3日はレセプション、4日は京都の書家、新見知史の書道パフォーマンスが午後3時から行われる。

 今回2回上映される短編ドキュメンタリー「守破離」(伊納達也監督)は、同映画祭の河野洋と古川康介がプロデュースしたNYJCFプロダクションの作品。NYJCFはニューヨークを拠点に活動する3人の日本人、鈴木やす(俳優・映画監督)、古川康介(映像作家)、河野洋(イベント・音楽プロデューサー、Mar Creation, Inc.代表)が2012年に設立。

 参加作品は、『晴れて成仏』 (2023年、 コメディ)、『ネッパ』(22年、ドラマ)、『守破離 』(23年、ドキュメンタリー)、『半透明なふたり』(22年、ドラマ)、『おしらさま』(23年、  アニメーション)、『今昔カラス』(22年、ミステリー)、『青と白 』(22年、ドキュメンタリー)、『スカビオサ』(22年、ドラマ)、『勝手に死ぬな』(23年、ドラマ)など。入場料は一般15ドル、 会員8ドル。チケット・上映作品の詳細はウェブサイトhttps://asiasociety.org/new-york/を参照する。

(写真)今回2回上映される短編ドキュメンタリー「守破離」(伊納達也監督)

編集後記

【編集後記】

 みなさん、こんにちは。ニューヨーク日本総領事館が公表しているニューヨーク都市圏に住む日本人の人口は、3万9,932 人で、世界全体ではロサンゼルス都市圏( 6万7,107 人)、バンコク( 5万9,744人)に次いで3番目に多く なっています。これは外務省が毎年1回、10月1日付で世界の在外公館で一斉に調査している数字。バブル期には企業調査と在留届けからの推定値でニューヨークには8万人から9万人いたとされていた頃から比べるとここ20数年で約半減しているということでしょうか。あの頃は補習校の児童生徒数が4500人近くいたことを考えると子どもの数も半分近くになっている感じです。NYにはいくつかの日系の団体が存在します。平たく言うと、企業が会員となっているNY日本商工会議所(企業駐在員と法人会員が主体)、日本クラブ(企業駐在員とその家族、永住者など個人会員)、ニューヨーク日系人会(日系米国人と永住者、少数の企業駐在員、日系の高齢者が主体)の3つを日系3団体と呼んでいます。アメリカの組織としてジャパン・ソサエティー(日本文化に関心のある米国人が主な会員)があります。このほか、日本の各都道府県別に親睦会を作っている県人会がありますが、その数は定かではなく、活発に活動している県もあれば、そうでない県もあるようです。そんな中、今月20日、ニューヨークにある各県人会の代表をに声をかけて集まった合同県人会秋の食事会がNY日系人会で開催され、26団体35人が参加しました(4面に記事)。同じ故郷であれば、駐在員、学生、永住者など滞在ステイタスに関係なく同郷人としての「居場所」がありますからまあ気楽です。今までは各県バラバラに活動してましたが、こうやって県人会の代表が一堂に集まることは稀でした。幹事の木下信義さん(長崎県)、松浦玲子さん(青森県)によると、今後は各県に派遣されてアメリカに戻ってきたアメリカ人のJETプログラム参加者や、地方自治体の機関であるクレアとの連携を深めたいこと、来年からは「県人会フェア」を催したいそうです。ひと頃よりはコンパクトになったNY日系社会ですが、それだけまとまって活動もしやすくなるのかもしれませんね。ジャパン・パレードやジャパンフェスがあったり、やたら物価の高いニューヨークではありますが、縁あって同じ街に住むことになった日本人同士、色々な機会を見つけてネットワークを広げてお知り合いになり、楽しく生きて行けたらいいですね。コミュニティーペーパーはそのための道具として存在していると思ってます。それでは皆さんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)