鎌倉シャツNY進出 成功の7周年を祝う

 鎌倉シャツ」の愛称で呼ばれる「メーカーズシャツ鎌倉」のニューヨークのマジソン・アベニュー店(マジソン街400番地/47丁目と48丁目の間、電話212・308・5266)が10月30日、オープンから7周年を迎え、29日夕、記念レセプションが開かれた。東京本社から貞末奈名子常務取締役が来米して招待客らをもてなした=写真=。
 同社は2012年に米国第1号店にマジソン街店を出店。15年にブルックフィールド・プレイス店を開店。今年は、中国・上海、静安にある「静安ケリーセンター」内に中国で初となるショップを11月7日にオープンする。
 同社の製品は、米国雑誌「GQ」マガジンのウェブ版「GQ.com」9月19日付記事で欧米の数あるブランドの中から「ベスト白ドレスシャツ」に選ばれた。同誌は、ジーンズやステーキが、品質の高さから日本製のデニムや和牛サンドが脚光を浴びたように、発祥の本家本元を凌ぐクオリティーの高いシャツを作り出している鎌倉シャツを紹介し、アメリカントラッドについては、そのスピリットを守ったのは日本の高い技術と情熱と称賛している。
 同店では7周年を記念し、オックフスフォード地ボタンダウンシャツ(既製品無地3色、ストライプ4色各89ドル。オーダーメイド無地5色、ストライプ5色各130ドル)を限定販売する。また既製2枚、オーダーメイド1枚の注文でシャツ生地で作った鎌倉シャツオリジナル扇子を贈呈。和柄ポケットチーフ3枚セット(50ドル)を販売している。
 

語りかけるような歌詞大切に

歌詞の作詞講座を開設した
シンガーソングライター

マンデー満ちるさん

 ニューヨーク在住のシンカーソングライター、マンデー満ちるさんが、今月4日から、英語の作詞法について教授する「ストーリーテラーズ・ワークショップNYC」という講座を開講する。2000年に活動拠点を日本からニューヨークに移し、育児をしながら音楽活動をしているうちに、自分の中で「育てる」という意識が大きくなり、その影響から「教える」ことに興味を持ったのがきっかけだという。
 歌詞は、音が乗ることを前提に、その言葉のイントネーションや言葉の並び方、韻の踏み方などが、歌を歌うこと自体を知らないとなかなか上手く表現しきれない難しさがある。作詞の世界は、自分の心の世界の表現でもあるので、その心を「添削」するような直し方はしない。相手に「インスピレーションの種」を与えるような指導を心掛けるという。講座タイトルにあるように、相手に話を伝えるように、ストーリーテラーとなること、自分が見たこと感じたことを伝えること、それを一番大切にしているという。
 マンデーさんは、ジャズ・ピアニストの秋吉敏子さんを母に、ジャズ・サックス・プレイヤー、チャーリー・マリアーノさんを父に1963年に東京で生まれた。1987年第11回日本アカデミー最優新人俳優賞を受賞した「光る女」(相米慎二監督)で女優(芸名:秋吉満ちる)としてスタートした後、日本の映画界で活動していたが、1991年、アルバム 『mangetsu』のリリースをきっかけにシンガーソングライターに転向した。 これまで、マンデー満ちるの名前で、200以上ものソロやコラボレーション・プロジェクトでのアルバムを出すなど多作を極める。
 そんな彼女が、しかしあえて言う。「自分の才能は、歌じゃなくて歌手としての見方を通した作詞」だと。日本の歌手のためには「日本の歌詞をいかに英語表現に訳すか」という点にポイントを置いて作詞法を教授する。人種や音楽ジャンルを問わず、誰もが参加できる、英語の作詞法にフォーカスした内容だという。これは、ニューヨークでしか受けることのできない講座だろう。
 (三浦良一記者、写真も)

     ◇

■講座案内=クラスは11月4日(月)、12日(火)、18日(月)、25日(月)の全4回、午後7時から9時までの2時間。会場はシェトラーズ・スタジオ(西54丁目244番地)。
 コース修了後、12月8日(日)午後3時から、クラブ・ボナファイド(東52丁目212番地)で受講生によるショーケース「リリシスツ・ラウンジ」が開催される。定員20人。受講料は200ドル(ショーケース参加費含む)。
 問い合わせ・申し込みは電話917・400・9362、またはEメールstorytellersworkshopnyc@gmail.comまで。 

ぼくめいた 8

短期集中新連載えほん

作・絵 三浦良一

 町がぐっすりと寝静まった夜中、町中のパーキングメーターが集まってきました。
誰もいない駅の空き地で大会議が始まった。
仲間のメーターも、みんな 心配顔。
 お腹のメーターが狂っていることが分かったら、取り替えられてしまうかもしれない。
どーする? どーする? (次号につづく)


   As the town came to a quiet sleep at midnight,
the town’s parking meters gathered around.
And so, a grand meeting took place at an empty station, not a person in sight.
All the meters have a worried look on their faces.
   If they find out the meters in our stomachs are out of whack,they might get us replaced.
What to do? What to do?   (to be continued)

生きづらい女性の素顔

蝶々・著
双葉社・刊

 週末、死にたくなるというあなたへ。日本に生きている女性、若きも中年も、得体のしれない不安を抱きながら。高額所得者であろうと、低所得にあえぐ人であろうと、ここで描かれている女の人たちの心の葛藤とつきあげてくるやり場のなさ。それはどうやら、年輩も若い方も日本の社会の中で、女性としての生きる自立した自信がもちづらい日本の社会制度にあるようだ。
 不安でむなしく愛がほしい女のひとたち。黙っていても何も始まらないのは分かっていても、自分にだけではなく、だれかさんに囁いている優しい言葉「お疲れさま、そんなに頑張らなくっていいよ、そのままでいいんだよ、ありがとう」というような優しい言葉があるだけでハンカチで目頭を押さえてしまう女性のなんとも多いのにびっくりした癒しの講演会もあった。かけられる言葉ひとつで精神の落ち着き具合がまったく異なってくる貴女。恋愛カウンセリング、生活コーチング、似たような境遇どうしでの掲示板でのチャット。身も心も疲れ切った「息してるだけの女子」が心地よくリラックスして生きるための愛の言葉の数々を元銀座ホステスの著者が綴る。
 女性であることの閉塞感は、日本独特のものなのだろうか。世界の中には、女性は人前に出るときに素顔を見せてはいけないとか、車の運転はできないというような、いまの日本人から見るととんでもない男尊女卑がまかり通っている国もこの地球上には未だにあるわけで、日本で日本人として生まれた日本の女性は、世界の中の女性のなかでは生れながらにして人権と生きるための言動の自由も保障されているなかでの、かなり幸せな中での「なんといえない閉塞観」を幸せの対極の心境を味わっているのかもしれない。
 翻ってニューヨークの日本人の女の人たちは、人前で見る限りみなかなり元気だ。しかも、キャリアがある。日本の男の人たちは、留学生の場合は多くは企業の研修留学で、自腹で留学している男性はあまり見かけない。方や、女性は、日本での大手企業のキャリア職を退職して捨て去ってまでして「自分のやりたかったことを実現するため」にやってくる人がかなりいる。しかも資格を取って、手に職がある人が多い。美容師、弁護士、公認会計士。ニューヨークの街を歩いていると、向こうからやってくる人たちのおでこに皆「わたしは〜になりたいです。〜をしたいです」と書いて歩いているのが目に見える。NYはやりたいことがあればやらせてくれる、上手くできれば拍手喝采、できなかったら「またね」だが、その「またね」は「もう来なくていいよ」の「またね」ではなく、「もっと力をつけてまた挑戦してみて」のまたねなのだ。
 やり直しがきく街ニューヨーク。それができずらい東京。失敗が怖いから冒険はしない東京。やってだめだったら、それは、なかったことにしてもらうNY。
 生きづらさは生きる場所や街にもよるのかもしれない。     (三)

誓いと信念を勇気に Black and Blue

Photo Alan Markfield / SONY PICTURES ENTERTAINMENT

 正義を貫く警官と腐敗まみれの悪徳警官の激突というごくシンプルなサスペンス。が、ここに黒人と白人そしてそのコミュニティーという人種の軋轢が入り込んでくる。観客が社会に蔓延する差別という「先入観」に惑わされるのを見越した物語展開も面白い。
 警官と市民の衝突現場をたまたま目撃した人による携帯電話録画が警官の暴力、過剰防衛を暴露するケースが相次いでいるが、本作では警官が装着するボディカメラが主人公の味方になる。
 主役の女性警官アリシアには「ムーンライト」(2016年)のナオミ・ハリス。「007」シリーズで過去2作と来年公開のシリーズ第25作目「ノー・タイム・トゥ・ダイ」でイヴ・マネーペニー役を演じるロンドン出身のジャマイカ系女優だ。共演は「Fast & Furious」(ワイルド・スピード)シリーズのローマン・ピアース に扮している俳優・シンガーのタイリース・ギブソン。監督は「Traffik」のデオン・テイラー。
 舞台はニューオリンズ。二度のアフガニスタン派遣を経てニューオリンズ市警に入ったアリシア。まだ3週間目のルーキーだ。黒人の人口が6割を占めるここでも地域によっては警官による市民への扱いは横暴だ。
 富裕層エリアをアリシアが早朝にジョギングしているとパトカーから二人の白人警官が降りてきてアリシアを荒っぽくチェックする。同じ警官と分かると悪く思うなよ、とばかりに平然と去っていく。逆に住民がアリシアに向ける目は同じ黒人系であることは関係なく、警官への敵視だ。
 市警内では予想したほどの人種対立はなく、アリシアは白人の相棒とも信頼を築き始めている。ある日、相棒のピンチヒッターとして出動した際にアリシアはとんでもない現場を見てしまう。市警の刑事が絡む殺人だ。アリシアが装着していたボディーカメラがこれをとらえていた。しかし瞬時のうちに悪徳刑事の策謀でアリシアは口封じのために警察とギャングの双方から命を狙われ絶対絶命のピンチに。
 直球で迫ってくる展開だけに緊迫感溢れるサスペンスだ。1時間48分。R。        
(明)

https://www.blackandblue.movie/videos/


■上映館■
AMC Empire 25
234 West 42nd St.
AMC Loews 34th Street 14
312 W. 34th St.
AMC Loews Village 7
66 3rd Ave. (11th St.)

ホワイトライト祭 リンカーンセンターで

courtesy @whitelightfestival.org

 クラシック音楽、ダンスやコンサート、宗教や民俗音楽、舞踊など幅広いジャンルを紹介する「ホワイト・ライト・フェスティバル」が24日(日)まで、リンカーンセンターの各劇場で開催されている。
 宗教音楽の「スターバト・マーテル」はペルゴレージ作のバロック音楽版をジ・エイジ・オブ・エンライトメント楽団による古楽器での演奏と、現代作曲家のマクミランによる2015年版をブリテン・シンフォニア管弦楽団が演奏するほか、トニー賞受賞演出家ゲイリー・ハインズによるシェークスピアの芝居「リチャード三世」をアイルランドのドルイド劇団が公演。オペラはワーグナー作の「トリスタンとイゾルデ」をソプラノのクリスティン・ゴーク主演で上演。また、民俗音楽は北インドからのイスラムの楽士団、ザ・マーンガニヤールがイスラムとヒンズーの伝統を受け継ぐエキゾチックな音楽を披露する。
 チケットや公演時間などの詳細はウェブサイトhttps://whitelightfestival.org/を参照。

編集後記 10月26日号

編集後記  10月26日号

日米ソーシャルサービス(JASSI)の第38回年次晩餐会が本日、10月24日、イエールクラブであり、出席してきました。同会は、ニューヨーク地域のアジア系、とりわけ日系コミュニティーの社会福祉をしている団体で、昨年は1188人の日系人に対して、延べ4806回の訪問サービスなどをして無償で食事や介護などの世話をしています。このうち450人が高齢者で80%が経済的に恵まれない状況になっているそうです。ニューヨークの日系社会は一見華やかにも見えますが、目に見えないところで喘いでいる日系の老若男女が大勢いることが伺えます。それを支えているのが日系企業です。そのJASSIで24年に渡り理事長を務めた青木博さんが亡くなったのが昨年12月。現JASSI理事長の望月良子さんは冒頭の挨拶で、「青木理事長は多くのことを達成し、成功した実業家でしたが、その一方、他人に対しても思いやりがあり、親切で寛大な方でした。ニューヨークの日系人社会に対する福祉サービスへの多大な貢献者として多くの方の心に残る事でしょう」と話した。11月8日(金)午後4時から5時30分まで日本クラブ(西57丁目145番地)で、青木博さんを偲ぶ会が行なわれる。予約は不要。=本紙今週号7面に記事=。
青木さんは1927年11月8日生まれ。名古屋大学経済学部を卒業後三井物産に入社。入社後間もなく三井物産の最初の米国支店を開設するための6人の内の一人に選ばれ、その任務の準備とし企業派遣留学で53年コロンビア大学の夏期講座参加。その後インディアナ大学で1年間英語を学び、54年に同僚と共に三井物産ロサンゼルス支店を開設。同じ年に生涯の伴侶となる山隈壽子さんと 出会い55年に結婚。61年には家族を伴って東京に戻り三井物産での仕事を続け、67年に米国駐在で三井物産ロサンゼルス支店の木材・パルプ部門を率い、72年に米国三井物産ニューヨーク支店転勤。82年に三井リース米国法人社長。94年から2018年までJASSI理事長を務めた。偲ぶ会問い合わせは、電話917-355-2482、またはmochizuki@jassiboard.org 望月さんまで。
今週の動画ニュースは「富士フイルムの写真展」です。https://www.nyseikatsu.com/nytv/10/2019/27126/

【今週の紙面の主なニュース】
(2019年10月26日号)

(1)MoMA多様化の時代 (1面)

(2)プリントの価値を訴求 (2面)

(3)杉本文楽・曽根崎心中 (3面)

(4)奈良美智の落書き (5面)

(5)東京スカパラNY公演 (10面)

(6)Jコラボで年次芸術展 (11面)

(7)@K4バンド公演へ (15面)

(8)NY生活ウーマン (17面)

(9)映画 Zombieland (26面)

(10)ぼくめいた 7 (25面)

MoMA 多様化の時代

新装オープン

 増築工事のため今年6月から閉館していた近代美術館(MoMA=西53丁目11番地)が、21日に再オープンした。西側に拡張した4万平方フィート(約3700平方メートル)のスペースはディラー・スコフィディオ+レンフロ社が設計、ゲンスラー社との共同プロジェクト。これまで通り絵画、彫刻、建築、デザイン、写真、メディア、演劇、フィルムなどを展示するほか、4階にはパフォーマンススタジオ「マリ=ジョゼ・アンド・ヘンリー・クラビス・スタジオ」を新設し、現代美術に関連したダンスや音楽作品を展示する。現在は電子音楽のパイオニア、デービッド・チューダーのサウンドインスタレーション「レインフォレストV」=写真=を展示。
 白人男性の作品が多かったこれまでに比べ、芸術家たちも多様化している。グレン・D・ロウリー館長は4階の404ギャラリーで記者団に挨拶し、インドのムンバイ出身画家ヴェスデオ・S・ガイトンデの作品を説明しながら、今後は芸術作品をよりグローバルな観点からから選んでいくと抱負を語った。(ワインスタイン今井絹江、写真も)

絶望の恋人現代の写し絵

©Hiroshi Sugimoto/ Courtesy of Odawara Art Foundation

杉本文楽・曾根崎心中に満場の喝采

 ニューヨークを拠点に活躍する、現代美術家で写真家の杉本博司さん監督の人形浄瑠璃文楽「杉本文楽・曽根崎心中/ Sugimoto Bunraku Sonezaki Shinju The Love Suicides at Sonezaki」が、マンハッタンのローズシアターで19日から22日までの4日間にわたり上演された。
 リンカーンセンターで10月19日から11月24日まで開かれる「ホワイト・ライト・フェスティバル」のオープニングを飾る公演となった。
 同作は近松門左衛門の人形浄瑠璃「曽根崎心中」をもとに杉本さんが構成し、演出と舞台美術も手がけた作品。2011年に初演され、2013年にマドリード、ローマ、パリとヨーロッパでの公演で絶賛され、2014年に日本で凱旋公演が行われた。今回のニューヨークは、米国での初公演となった。
 米国での初公演について杉本さんは「自殺が強く禁じられているキリスト教世界において、心中により浄土に迎え入れられるというテーマが受け入れらたようです」と話した。

 現代美術作家、束芋(たばいも)さんの手がけた映像作品が舞台のスクリーンに映し出され、現代美術と伝統芸能が見事にコラボした素晴らしい舞台を作りだした。最後には黒衣も含め、出演者全員が舞台に立ち、観客のスタンディング・オーベーションで舞台を終えた。
 公演に訪れていた、マリア・ラビノビッチさんはJETプログラムで大阪の中学校で英語を教えている時に文楽と出会い魅了されたという。「音楽も人形も美しく素晴らしかった。ただストーリーには文化の違いを感じた。徳兵衛(心中をした主人公の一人)はなぜ問題にアジャストしようとしなかったのか」。また、今回、文楽を初めて観劇したというマイケル・カニストさんは「舞台はとても美しかった。私が最も感じたのは、時代や場所が違っても、悪徳商法や恐ろしい人々が繁栄する階級や特権により、絶望によって追い詰められる若い恋人たちは、私たちが暮らす現代となんら変わりのないことだ」と話した。
 今回の公演は、国際交流基金が米国において日本の文化や芸術を紹介する「Japan 2019」の一環。人形浄瑠璃文楽は、2003年にユネスコの「世界無形遺産」にも登録されている。(石黒かおる)

プリントの価値を訴求

富士フイルム・プリントライフ写真展2019

グランドセントラル駅に1万3600枚

グランドセントラル駅構内のバンダービルトホールに展示された1万3600枚のプリント写真は実に壮観。足を止めて見入る来場者たち

 富士フイルム・ノースアメリカ社は、16日から20日まで、マンハッタンのグランド・セントラル・ターミナル駅構内で、昨年に続き米国で2回目となる写真展「富士フイルム・プリント・ライフ写真展 2019」を開催した。
写真を撮る喜び、プリントして飾る楽しさ、写真で残す大切さを発信するのが目的で、通常のフォトコンテストと異なり、応募者全員の写真が展示される参加型写真展で同社ウェブサイトを通じて全米各地から一般応募された1万3600点以上の作品を展示した。
 日本では既に2006年から開催しており、昨年度から米国を含め世界各地においても本格展開、今年度は、米国以外に、カナダ、ブラジル、英国、フランス、トルコ、南アフリカ、インド、タイ、中国でも開催され、全世界で 応募総数約10万人以上の写真を展示する。
 友人の写真を見にきたという女性は「ここで写真を撮影していま送ってあげたところ」と自分も入れて撮影、フォト・イン・フォトの手法でその場からメールで送信した。ニューヨーク州北郊チャパカから写真を応募したというキャシーKさんは、両親や家族と会場を訪れ、自分の写真が展示されている場所で記念撮影するなど盛り上がっていた。羊の写真を2枚。草を顔中に付けて食べている顔が可愛らしい。

同社人気商品instax mini LiPlayとLINKを手に説明する岩﨑 社長

  同社では今月11日にスマホからのチェキ・プリントできる新型プリンター「LINK」を世界同時発売しており、展示会場にはスマートフォンからの即時プリントサービスコーナーを常設、写真をプリントする楽しさをその場で体験できた。期間中は、会場を訪れた人々がプリントの魅力を実感して 写真をプリントすることの意義も存分に感じていたようだ。
 富士フイルム・ノースアメリカ社の岩﨑哲也社長は「グランドセントラル駅という多くの人が訪れる場所で開催できたこと、大勢の人々に見ていただきプリントする楽しさを感じてこもらえたことがなによりうれしい」と述べ、今回発売されたLINKについては、「スマホからのプリントならLINKと言われるくらいスタンダード化していきたい」と意気込みを見せた。

スタッフからその場でプリントをもらって喜ぶ来場者

 また、今回の写真展では、写真団体「100cameras (www.100cameras.org)」の特別展示スペースを設けていた。民間非営利団 体である「100cameras」は、困難な環境にいる世界中の子供たちに、写真を通じて自分たちの経験や将来の夢を発 信するための方法を提供した。子供たちが撮影した写真はオンラインで販売され、その全収益は医療や教 育などの資金として子供たちのコミュニティーに還元される。同時に富士フイルムは、FUJIFILM FinePix XP130 カメラ200台を同団体に寄付するなど社会フィランソロピー活動にも力を入れている。