「food is 風土」

プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)

元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (21)

 2004年に1号店Bozu をウイリアムスバーグに出してから18年になります。その頃はまだかなり物騒な場所で、友人を招いても怖がって来てくれませんでした。そんな場所だったからこそ、その場所なりの物を食べてもらいたいという気持ちが湧いてきました。「food is 風土」をモットーに調味料以外は地元にあるものを中心にメニューを考えました。


■アスパラ・クリミニ・ベーコンの酒蒸し

 アスパラガスもクリミニマッシュルームも独特の風味があります。これが酒と醤油と豚の脂と混じり合うとご飯にもビールにも合うんです。

材料

アスパラガス 5、6本

クリミニマッシュルーム 3,4個

ベーコン 100g くらい

酒 50cc

醤油 5cc

メイプルシロップ  小さじ 1/2

【作り方】

 アスパラガスの根元の方は皮を剥く。クリミニマッシュルームはスライスする。ベーコンを油をひかずにフライパンで焼く。ベーコンの脂が出てきたらアスパラガスとクリミニマッシュルームを入れ軽く炒める。酒、醤油、メープルシロップを入れ蓋をし蒸す。


■キャロットのラペ

 お正月のなますにガーリックとオイルを入れたらアジアン。そこにジルを振ったらなんとなくイタリアン。

材料

にんじん 100g

ガーリック ひとかけ

サラダ油 小さじ2

酢 小さじ2

砂糖 5g

塩 5g

ディルウィード

【作り方】

 にんじんを千切りにする。塩をまぶし汁が出てくるまで軽く揉む。にんじんの汁がドレッシングになるので捨てない。

 ガーリックをスライスし、分量の油と一緒に火にかける。ガーリックがうっすら焦げてきたら火から下ろし濡れタオルの上に乗せ粗熱をとる。

 塩で揉んだニンジンにガーリックオイルと砂糖、米酢を和える。冷蔵庫で冷やし、食べる前にディルウィードをかける。


■エビと帆立の酒蒸しローズマリー風味

 ローズマリーって醤油に合うんです。帆立はひっくり返さずに醤油で色が染まらないように。

材料

剥きエビ

帆立(貝類なんでも)

ローズマリー 2本

ワインビネガー

バター

醤油 

【作り方】

 エビは殻をむき腸をとる

バターをフライパンで溶かしエビ、帆立を並べ火を入れる。

 片面に火が通ってきたら残りの材料を全部入れて蓋をする。

 エビ、帆立に火が入りすぎないように気をつける。帆立が生食用であったら帆立だけ先に取り出してミディアムで仕上げる。


鈴木誠さん

Bozu

296 Grand St, 

Brooklyn NY 11211

Tel: (718) 384-7770

www.bozubrooklyn.com

自分だけの音楽性を追求する

作曲家、ピアニスト、アコーディオ二スト

永井晶子さん

 「ニューヨーク音楽シーンのユニークかつ予測不能な存在」と評される永井晶子(ながい・しょうこ)さん。前衛音楽とワールドミュージックの自身のバンド「トカラ」を結成、夫でドラマーの武石聡さんとのユニット「ヴォルテックス(Vortex)」では自作曲を発表、ユダヤ教礼拝堂の儀式やアメリカ・チェコ人形劇団ではアコーディオンを演奏、リンダ・ホーグランド監督の映画音楽を担当するなど、ジャンルを越えた音楽家として、知る人ぞ知る存在だ。2月3日放映予定の「Sex and the City」の続編「And Just Like That…」にはミュージシャン役で登場、収録が終わったばかり。

 幼少期からエレクトーンで音楽の感性を磨き、渡米前はヤマハ音楽講師として活動していた。「今エレクトロニクスを融合した前衛音楽が作れるのは、エレクトーン演奏者だったからこそ」と、その経歴を強味とする。「ジャズピアニストになりたい」との思いからバークリー音楽院へ進学、「美しく弾くだけではない自分だけの音楽性」への意識が芽生えた。

 ニューヨークで活動を始めたある日、前衛音楽家の大御所、ジョン・ゾーンから電話があった。この共演がきっかけで、フリージャズへと活動範囲が広がる。また、イスラエル出身の友人が多かったことからシルクロードでつながる東西の音楽ひいてはワールドミュージックへと演奏の幅が広がり、いつしか中東音楽を奏でるアコーディオン弾きとしても不動の地位を得た。そうしたいくつかの出会いを「運命」と晶子さんは言う。「よかったら直ぐに反応してくれる。ユダヤ人でもない私を起用してくれる。そういうのがニューヨーク」。

 夫の武石聡さんとの出会いも「彼なしでは音楽性の成長はありえなかった」と言う「運命」。即興演奏など「間の取り方」がぴったりなのだそう。夫婦ユニットの「ヴォルテックス」は結成20周年を迎える。

 近年は作曲活動に主軸を置く。今年は3つの助成金を得て、CDリリースも控える。3月にはバースデーライブも企画。「自分のアイデンティティーをいかにクリエイティビティーの中に出せるか」を常に意識する。「音楽を書くことは苦しみ。葛藤がないと書けない。」と言う時、柔和な表情が一瞬引き締まった。一流の音楽家がしのぎを削るニューヨークの緊張感あふれる環境での活動は「使命」と感じている。名古屋市出身。(小味かおる)

www.shokonagai.net

Photo: Satoshi Takeishi 

Masha’s ARIGATO

An album of gratitude from the three daughters of a mother that survived on a Sugihara visa

Chiune Sugihara

    “During the Second World War, many Jews escaped from Europe on the Trans-Siberian Railway. They traveled to the United States via Japan holding life-saving transit visas which allowed them to pass through a third country (known as “Visas for Life”), the only means to travel abroad in wartime. The diplomat who wrote approximately 2,000 visas by hand, Chiune Sugihara(1900-1981), and his family, now live in New York.  They are still grateful to Japan. One recipient of the visa, Marsha Leon =Right side of the photo (Bernstein), a 10-year-old girl at the time of her escape, passed away five years ago at the age of 86.  Her memory lives on in her three daughters who grew up hearing their mother’s memories of kindness shown to her by the Japanese.Leon’s daughters are now thriving artists (a composer, a pianist, and a photographer). The three of them collaborated to make an album to express their gratitude towards Japan.  The album, entitled “Masha’s Arigato”=Left side of the photo, contains original songs and a rendition of “Sakura”, a traditional Japanese folk song.(Ryoichi Miura / Translated by Marie Smith)

“A visa for life made me a big fan of Japan”

Japanese Culture and Friendship Taught to Woman’s Three Daughters

 “Our mother, Masha, arrived in Tsuruga in February 1941, and then she traveled to Kobe on February 24.  She was 10 years old at the time and was taken care of by a French nun at St. Mary’s Catholic Elementary School.  My mother and my grandmother, Zelda Bernstein, used Kobe as a base and visited Tokyo, Nara, Osaka, and Takarazuka during their six months in Japan.   I remember that they shared their fond memories of watching samurai movies and walking around Honmachi with us.  Her time in Japan was followed by her marriage in the United States, where she gave birth to three daughters.  She worked as a reporter for a Jewish newspaper while taking us to Kabuki and Bunraku performances.  In particular I remember the time when Toshiro Mifune came to the U.S. in 1992 at the invitation of the Japan Society.  There was a poster contest for the movie “Seven Samurai,” and I drew the poster and had him sign it. I gave him a copy. I was already a fan of Japanese movies, so my mother and I were very moved. 

  There were also folding fans and postcards that my mother brought from Japan, which were donated to the Tsuruga Museum in Japan two years ago.  Another memory I have is accompanying my mother when Prime Minister Abe visited the Jewish Museum in Washington D.C.  She was invited as a representative of the survivors and shook hands with him.

  I heard that nearly 4,000 Jewish refugees once arrived in New York via Japan. I don’t know the exact number of survivors now, but my mother’s great voyage on the Amakusa Maru has led to our peaceful life today. We still have a subscription to TV Japan and enjoy watching sumo matches and other broadcasts.  My sisters and I were exposed to Japanese culture from a very young age.  My older sister, Laura, is a pianist, I (Karen) am a photographer and illustrator, and my younger sister, Nina, is a composer. Two years ago, the three of us collaborated on an album, which contains original compositions and “Sakura”.  It’s entitled  ‘Masha’s Arigato’ (Thank you from Masha)”.  Whenever I listen to it, I can feel the emotions of the distant Showa era surging through me. 

Visa for Life Online Conference Links Japan and the U.S.A

  On November 12, 2021, the “Japan-U.S. ‘Visa for Life’ Online Conference” was held to discuss Sugihara’s humanitarian efforts and their legacy. The event was centered around two books written by Akira Kitade. The first about the Japanese who supported Sugihara at the time, “Visa for Life, Faraway Journey” (published by Kotsu Shimbunsha), and “Harukanaru Tabiji (Continuing Life’s Journey)” (published by Parade), which focuses on the rescue of Jews by other diplomats. At the beginning of the conference, Ambassador Kanji Yamanouchi, Consul General of Japan in New York, delivered a message. In the latter half of the meeting, Laura Leon, a pianist living in New York City and daughter of the late Marsha Leon, read a statement and played music her sister, Nina, had created called “Masha’s Arigato”. In her statement of gratitude, Ms. Leon said that although it had been more than 80 years since Sugihara issued the visas, the descendants of Jewish refugees whose lives were saved by him and who made it to New York City are still grateful to Japan. 

 Shukan NY Seikatsu interviewed two of the three daughters of Marsha Leon, a survivor who passed away in 2017 at the age of 86: her eldest daughter Laura and Karen, who live in New York City.  For more information about the album: https://lauraleonpiano.com/cds/cds/c/241      musicaltapestriesinc.com 

マンガとアニメで繋がる世界

ジャパン・ソサエティー

 ジャパン・ソサエティー(JS)のリビング・トラディションシリーズ、オンラインセミナー第5弾「マンガとアニメで繋がる世界:日本のポップカルチャー」が、2月15日(火)午後7時から開催される。

 漫画家であり株式会社ミクシィのコンテンツ・プロダクション・グループ・マネージャーを務めるジュリア・メクラー氏、そして『ジャパナメリカ 日本発ポップカルチャー革命』著者のローランド・ケルツ氏を迎え、マンガ・アニメ業界の現状や最新トレンド、技術革新について話を聞く。また、司会に『Japanese Popular Culture and Globalization』著者のビル・ツツイ氏を迎え、マンガ・アニメの歴史から、オタク文化が世界に与えた影響、今後の日本国内外での展望を議論する。同セミナーはリビング・トラディションシリーズの最終回として、日本のポップカルチャーの世界を探求するもの。セミナー言語は英語。

 参加費無料だが要事前登録。申し込み・詳細はウェブサイトhttps://www.japansociety.org/を参照。

編集後記 1月22日号

【編集後記】
 みなさん、こんにちは。国連職員になりたい、と思ってもそう簡単にはなれませんが、資格があれば挑戦してみてはどうでしょう。外務省国際機関人事センターは日本時間1月22日(土)、2月6日(日)、2月19日(土)に「2022年度JPO試験説明会」を開催します。JPO派遣制度とは、1961年の国連経済社会理事会決議により設けられた、国際機関が各国の若手人材を受け入れる制度。日本の外務省も1974年から同制度による派遣を開始し、これまでの累計派遣者数は1800人以上に上る。派遣期間は原則2年間。期間内は外務省のサポートを得ながら正規職員と同様の勤務をこなし、国連職員・国際機関職員として必要な知識・経験を積みます。派遣期間終了後には正規採用を得ることが期待されているのですが、確実になれるとは保証されているものではなく、正規職員となるには通常求められる手続きに従って空席ポストに応募する必要があります。応募段階で内部の推薦状などが力を発揮するため、JPO制度が正規職員への事実上の登竜門となっています。興味のある人は、申し込み、詳細は外務省人事センターホームページ(JPO試験 外務省 国際機関人事センター (https://www.mofa-irc.go.jp/jpo/))を参照。問い合わせは電話。東京03・5501・8238、Eメールjinji-center@mofa.go.jp 外務省国際機関センターまで。国連分担金の関係と女性優遇措置で、日本人で女性だと格段と採用に有利に働くそうです。大学院以上の学齢と一定期間の専門分野での職務経験がモノをいう世界のようです。詳細、今週号の1面で記事になっています。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2022年1月22日号)

(1) 国連職員を目指そう
(2)光のトンネルNYを渦巻く
(3)こんな食材が欲しかった
(4)有機ココナッツオイル米上陸
(5)黒澤明の「影武者」上映
(6)今井千恵さんの本が英語版へ
(7)新年賀詞名刺交換会
(8)アルコールインク・アート展
(9)ティファニーズ・ランプ展
(10)米国のメジャー舞台で大活躍

国連職員を目指そう

外務省がJPO試験説明会を開催へ

 外務省国際機関人事センターは日本時間1月22日(土)、2月6日(日)、2月19日(土)に「2022年度JPO試験説明会」を開催する。JPO派遣制度とは、1961年の国連経済社会理事会決議により設けられた、国際機関が各国の若手人材を受け入れる制度。日本の外務省も1974年から同制度による派遣を開始し、これまでの累計派遣者数は1800人以上に上る。派遣期間は原則2年間。期間内は外務省のサポートを得ながら正規職員と同様の勤務をこなし、国連職員・国際機関職員として必要な知識・経験を積む。派遣期間終了後には正規採用を得ることが期待されているが、保証されているものではなく、正規職員となるには通常求められる手続きに従って空席ポストに応募する必要がある。応募段階で推薦状などが力を発揮するため、JPO制度が正規職員への事実上の登竜門となっている。

 募集の対象は、開発・人権・教育・保健・平和構築・IT・広報、人事等の分野で活躍する35歳以下の若手日本人。2022年度のJPO候補者の募集は既に開始されており、3月7日までに事前登録と必要書類の提出が求められる。本説明会でこれら応募の仕方の詳細を詳しく説明する。加えて、書類作成のコツ、また派遣までのプロセスなども説明する。国際機関での勤務に興味がある日本国外在住の社会人、学生に積極的に呼びかけている。説明会への出欠は、試験の選考に一切影響しない。オンラインによる説明会の参加定員は各日300人。参加費無料だが事前の予約が必要。3回の内容は全て同じ。定員に達し次第締め切る。申し込み、詳細は外務省人事センターホームページ(JPO試験 外務省 国際機関人事センター (https://www.mofa-irc.go.jp/jpo/))を参照。問い合わせは電話。東京03・5501・8238、Eメールjinji-center@mofa.go.jp 外務省国際機関センターまで。

光のトンネルNYを渦巻く

 マンハッタンの繊維問屋街(ガーメント地区)の路上にアート作品「パセージ」(通り道)が登場した。20個の円状の蛍光管で構成される歩行者用光のトンネルで、赤、青などレインボーカラーに色を変える中を通る。ニューヨーカーをさまざまな色で渦巻く。アーティストのセルジュ・マウがデザイン。何人かの通行人はすぐにアートワークに魅了され、下を通り過ぎるだけでなく、厳しい寒さにもかかわらず、家族や友人と一緒にセルフィーやビデオを撮っていた。2月13日まで。( 1月17日午後4時、ブロードウエーの39丁目と40丁目の間で、写真・三浦良一)

こんな食材が欲しかった

リーズナブルで美味しいと人気

THE GROCERY NEW YORK

「和ごはん」を楽しむ

 米国で身近に、手軽に「和ごはん」を楽しんでもらいたいという思いからザ・グローサリー・ニューヨーク(THE GROCERY NEW YORK)(本社ニューヨーク)が薄切り肉や焼肉、旬の和野菜キットなど、和食作りに欠かせない食材をお手頃価格で提供している。

 ニューヨークの有名レストランやスーパーなどに業務用精肉を卸すトモエ・フード・サービス(TOMOE FOOD SERVICES)、同社がウエストチェスターで運営する日系スーパー、フロンティア・マーケット(FRONTIER MARKET)と提携することで鮮度の高い高級食材の提供が可能になった。

 必要な食材を必要な分だけまとめたミールキットは、パーティーや忙しい主婦におすすめ。メニューは毎月更新され、米国にいながら日本の季節行事を楽しめるようなオリジナルアイテムを取り揃える。

 オーダーの受け渡しは、現在ニューヨークとニュージャージーの20か所以上ある「ごきんじょピックアップ」というスタイルで行っており、場所やスケジュールの詳細はホームページ(https://thegrocerynewyork.com/)でチェックできる。友達が10人以上が集まれば、グループデリバリーサービスも随時受け付ける。またメルマガに登録すると、特売会など会員限定のイベントや特典情報がもらえる。

寒い日には嬉しいおでん

▽本紙読者に特典

 週刊NY生活の読者は、初回の購入者限定でクーポンコード利用により5%割引(最低購入額30ドル)。(オンラインチェックアウト時にクーポンコード=SKNY0122 を入力。(2月18日〈金〉まで有効)

●春節スペシャルメニュー(ミッドタウンイーストピックアップ限定)=春節イベント向けにA5和牛ステーキ、しゃぶしゃぶなどを用意。ピックアップ日時=1月28日(金)午後4時から午後6時まで。 Greenacre Park (217 East 51st St), New York, NY10022 

※1月メニューのオーダーピックアップも可能。(オーダー締め切り1月22日)詳細はウェブサイト

The Grocery New York https://thegrocerynewyork.com/

Eメール info@thegrocerynewyork.com

BROWN SUGER 1ST. 有機ココナッツオイルで米上陸へ

現地法人をNYに設立

 有機ココナッツオイル、有機ココナッツシュガーなど日本で菓子製造事業、食品輸入卸事業、オーガニック食品小売事業を展開する株式会社ブラウンシュガー1ST(本社東京都千代田区平河町、荻野みどり社長)が1月5日、ニューヨークに米国現地法人ブラウンシュガー1STニューヨーク・インク(BROWN SUGER 1ST.NYC ,INC.)を設立した。

 現地責任者を兼務する荻野社長は「長女を出産し、母乳育児をしていたある日、娘が湿疹になり、10日間ほど便秘になってしまったことから『YOU ARE WHAT YOU EAT. (人は食べた物で出来ている)』という言葉を実感し、安心して子どもに与えられる美味しい食べ物がもっと気軽に買えたらとの思いから菓子教室を主催する実家の母の助けを借り『わが子に食べさせたいかどうか?』を基準に食材を厳選する手作り菓子店としてBROWN SUGAR 1ST.を2011年に創業したんです」と創業のきっかけを語る。

 現在ではココナッツオイルのほか、有機レモンスカッシュ、 有機ジンジャーエール、有機アガベシロップ、有機アップルソース、 菓子、各種スパイスなどのオーガニック食品を手広く日本国内で販売する。米国では主力商品であるココナッツオイル=写真=のほか、4月には新商品、有機ココ米油を米国で発売する予定。初年度売り上げ目標を50万ドル見込む。6月にはニューヨークでの商品見本市にも出展を計画、「食の安全と品質を優先」した看板商品を主軸に本格的な対米進出を目指す。企業の詳細はウェブサイトhttps://bs1st.com/ を参照。

1月は黒澤明の「影武者」

ジャパン・ソサエティーの月例映画再開

4月まで名作クラシック上映

 ジャパン・ソサエティー(JS)映画部は、今月より月例映画上映会「マンスリー・クラシック」シリーズをJS内劇場(東47丁目333番地)にて再開する。  

 2015年に始まった同シリーズは、日本映画を代表するクラシック作品、レア作品や再発掘作品などを紹介する月に1回の映画上映会。新型コロナの影響により一時中断されていたが、21日(金)午後7時から、ハリウッド大手スタジオから配給された初めての日本映画である黒澤明監督『影武者』を皮切りに再開する。(写真上、Kagemusha © 1980 Toho Company, Ltd.)

 1月から4月までのラインナップには、日本映画界の巨匠、黒澤明監督作品である偉大な武将の影武者として壮烈に生きた男の物語を描く戦国スペクタクル『影武者』に始まり、武家社会や武士道の残酷さを描き、日本国外でも注目を浴びた社会派時代劇『切腹』(2月4日)、「さそり」と呼ばれる女囚、松島ナミの壮絶な権力への復讐を描いた『女囚さそり 第41雑居房』(3月4日)、そして孤独な刑事の生き様を描き、北野武監督の名を世界に知らしめた『HANA-BI』(4月1日)を上映する。 全て日本語上映、英語字幕付き。

『HANA-BI』Hana-bi © 1997 Office Kitano

 『影武者』の舞台は戦国時代。家康の野田城攻めの折り、鉄砲で撃たれこの世を去った戦国武将、武田信玄。弟の信廉は「己の死を3年間、秘密にせよ」と遺言しこの世を去った兄の死の噂を打ち消すため、窃盗罪で処刑されるはずの信玄と瓜二つのとある男を、信玄の影武者として立てることにする。だが男にとって戦国の雄・信玄として生きることはあまりにも過酷だった。1980年に製作された『影武者』は、日本映画界の巨匠、黒澤明監督が偉大な武将の影武者として壮烈に生きた男の物語を描く後期の大作で、「世界のクロサワ」として世界中の映画作家・ファンに影響を与えてきた黒澤が描いた戦国スペクタクル。製作総指揮には黒澤に大きな影響をうけたフランシス・フォード・コッポラやジョージ・ルーカスが名を連ね、第33回カンヌ国際映画祭パルム・ドールの受賞をはじめ、第53回アカデミー賞で外国語映画賞と美術賞の2部門にノミネートされるなど日本国外でも高い評価を受けた。出演は、仲代達矢、山崎努、萩原健一、根津甚八、大滝秀治ほか。 

 マンスリー・クラシックシリーズの入場料は一般15ドル、JS会員10ドル。チケットなど詳細はウェブサイトwww.japansociety.orgを参照する。

世界女性起業家40人に選出されたCHIE IMAIの自伝米国で英訳出版へ

It begins from the only one fur

今井千恵さんの理念世界に発信

 ラグジュアリーブランドCHIE IMAI のリードデザイナー、 今井千恵さんの自伝『幸せ・成功のはじまりはたった一枚のファーから〜あなたの道にも通じる、今井千恵の「マイ・レガシー」』(日経BP・刊、本紙 6月5日付「BOOKS」書評欄既報)の英語版が今年発行されることになった。

 今井さんの世界進出のきっかけの地ニューヨークでは、紀伊國屋書店で販売されてニューヨーク在住の日本人が読み、大きな反響を呼んだだけでなく、日本全国の有名書店やウェブ書店で発売直後にアマゾンで海外進出部門ベストセラー1位と高く評価された(本紙 6月5日付「BOOKS」書評欄既報)。

 今井さんは当初、出版の依頼を日経BPから受けた際、自慢話や苦労談を披露することにためらいを感じ、当初は断ったという。しかし「ファーの素晴らしさ、楽しさを一人でも多くの人たちに知ってもらいたい。また、私の生き様を通して誰もが光を見だせるような生き方のヒントになり、少しでも今を生きる方、その次世代の方へのお役に立つなら」との思いから引き受けたと振り返る。

 結果として同書は「夢を持つ世代へ、私からの起業家として、デザイナーとして伝えたいメッセージや新しい未来を開くキーワードを込めることができ、生きることに前向きになれる楽しい本となった」と語る。

 今では女性だけなく予想以上に幅広い層の20代30代にも読まれ、若き男性ビジネスマンからも「バイブルにします」など感想が寄せられ、経済界・ファッション界の各メディアでも絶賛された。 

 特に、ファーへの思いを綴った章では、ぶれることのない今井さんの強い信念が貫かれ、多様化する現代社会で見失いがちな自己の生き方を記している。 

 「ファーは、『ナチュラル』『美しい』『楽しい』『心を豊かにする』素材であり、抜群の保温性や通気性など高い機能性を持つ素材です。人類とファーとの歴史は古く、石器時代にまでさかのぼります。狩猟によって生活を営んできた人類は、寒さや衝撃から身を守るために毛皮や革を活用してきました。 私がリードデザイナーを務めるラグジュアリーブランド『CHIE IMAI』のファッションへの考えは、長期的なサステナビリティと個人の権利を尊重することに基づいています。 偏った考えや意見から発生するネガティブな考え方をやめ、個々のスタイル、ファッションを自由に楽しむことを奨励したい。多様性を認め合う時代、ファーが好きな人がファーを選択する自由も尊重すべきと考えます。 世界中で多様性のあり方を考えるこの時代、「ものごとの本質とは何か」ということに思いを馳せて読んでいただければ嬉しい」と述べている。