クリスティーズ落札で叶った恵まれない子供支援

アーティスト YUKAKO

 3月26日から4月4日まで競売オークション大手のクリスティーズで自分の描いた作品が競売にかけられて8000ドルで落札された。ハーレムの恵まれない子供達に芸術の機会を与える教育プログラム団体の助成企画オークションでクリスティーズからぜひあなたの作品を出して欲しいと持ちかけられたのが昨年の秋。落札された額は教育援助として寄付することをお願いされ二つ返事で承諾、自分の一番思い入れのある作品を寄付した。

 幅80インチ、高さ50インチのキャンバスに白地と黒を基調とした龍が舞っているようなアブストラクト作品「Spirit’s of Fight」(戦う精神)は、65色の色素から作り出した14色で描いた「生と死」を問いかけるアートで、人生の困難や快楽、喜びといった人の生き様と精神のあり方を一枚の無垢のキャンバスに想いを託した作品だ。

 絵を描くことは少女時代から好きだったが、アートを生業として生き始めたのは社会人になってからの遅咲きだ。子供の頃、アーティストになることを将来希望していたが、アートでは生活できないと親に反対され、安定した職業につける道を選び、仙台の4年制大学で英語の教員免許を取得して公立高校の英語教師になった。しかし1年後、自分の人生はやはりアートで生きることと奮起し、カリフォルニア州のUCバークレーに米国留学、その後サンフランシスコ市立大に転学しアートを専攻して卒業。ところが「その頃は、大学を出たら就職するものだというふうに思っていて」ベルギーに本社があるチョコレート原料を世界の有名チョコレート会社に卸す超優良企業に就職。アムステルダム、シンガポールと勤務する中で、最後はパリの社長とミラノの副社長から同時にポジションを用意されて板挟みとなり「きっとどちらかに行っていたら安定したレッドカーペットみたいな生活があったんでしょうけど、死ぬときにこれで私の人生はよかったのかと後悔すると思ったんですね」。引き止める会社を振り切って、2006年に徒手空拳ニューヨークの地に。ハーレムの小さなワインショップで絵を展示してもらったのがニューヨークデビューだった。絵を見た地元ハーレムで活躍するキュレーターたちの目に止まり、ワインショップから展示場所は、カフェになり、ローカルのギャラリーへとアーティストへの階段を着実に登り始めた。もともと教員でもあり教えるのは得意でアートスチューデントリーグでも教鞭をとるまでになった。ニューヨークで自分の画業を見守ってくれた恩師でアーティストの飯塚国男さん(2020年コロナで死去)が言った「これから将来に向かって頑張っていくアーティスト達を励ますためにも絵を描き続けなさい」と今では最期の遺言となってしまったその言葉が忘れられない。自分のためにがむしゃらに描き続けてきたアートに今、誰かのためになるという意味が加わったという。「ハーレムからドアを開けてもらい、育ててもらい、クリスティーズという舞台に立って世界に向けて出発できたことをとても光栄に思う」と笑顔を見せる。今年創立50周年を迎えるニューヨーク日本人美術家協会(JAANY)の理事を務めている。(三浦良一記者、写真は本人提供)

今日はお誕生会でアゲアゲ気分

 週末にランチ席を待つ大勢の人で賑わうイーストビレッジのレストラン。「クラスメートの誕生日パーティーだから、いい天気でよかったわ」と盛り上がっている学生集団へファッションインタビュー。

 主役のバースデーガールは、フロリダの小さなブティックで購入したドレス。クラブモナコやピーターコリンも挙がったが、「マドリッドのブティックで買ったドレなの。嘘!ZARAよ(笑)」と、気の利いた返答も織り交ぜ、皆ZARA一色。理由を尋ねると、「みんなZARAが大好きよ。価格もお手ごろだし、Co2排出削減もコミットしていて、脱ファストファッション化し始めてるわ」と、さすが環境意識が高いZ世代ならではのコメントだ。「いつもかわいい服ばかり揃えているから!店舗も沢山あって便利だし」と、本音も飛び出す。そんなサステナブルファッションをモットーとする学生たちの活動の場は、イースト・ウェスト・グリニッジビレッジ、そしてソーホーと言ったローワーマンハッタンのお洒落スポットばかり。「いつも14ストリートと金融街の間で活動しているわ。その他はセントラルパークで美術館に行ったり、ピクニックやスパイクボールをしてるの」。これまでで最大人数で最高に盛り上がったインタビュー最後の質問で今後の予定を聞くと「ちょっと歩き回った後は、家に帰って勉強しなきゃ」。パンデミックも漸くひと段落した今、彼女たちのように社交、勉強(仕事)、ファッションとNYの春を楽しもう。

(Wear 2Nextチーム/アパレル業界関係者によるファッション研究チーム)

編集後記 4月23日号

【編集後記】
 みなさん、こんにちは。秋篠宮家の長女、小室眞子さん(30)が、ニューヨークのメトロポリタン美術館アジアギャラリー内日本館に展示されている掛け軸のオンライン版のカタログに実名でこのほど解説を執筆し、同美術館デビューを飾りました。この掛け軸は、沖縄の画家、山田真山(1887~1977)が、鎌倉時代(1192~1333)に仏教を大勢の人々に紹介するために日本中を旅した僧侶、一遍上人の生涯に着想を得て描いた作品です。今週号で写真と共に1面と5面で掲載しています。実はこの絵を探すのにはちょっと手間取りました。眞子さんが書いたカタログ解説にある、「一遍」(Ippen)の名前が展示会場で見つけることができなかったからです。目を皿のようにして広い館内を2回、一つひとつ作品のラベルをチェックしたのですが、とうとう見つからず、もうその作品は撤去されてしまったか、修復のために一時的に取り外されているのかと諦め、美術館からとぼとぼとオフィスに帰ってきました。ほどなくして会社に1本の電話がかかってきました。知り合いのジャーナリストからでした。美術館に行って骨折り損のくたびれ儲けだった話をすると「作品の解説は、もともとアジア部門の責任者であるジョー・カーペンターさんが書いたもので、タイトルは「山田真山筆、平清盛入道図」となっていて、今年の1月に、ある閲覧者から解説内容が間違っているのではないかとの指摘があり、調べた結果、それは山田真山の絵画『「發心 出家」一遍聖絵(ひじりえ)の場面より』であることが分かった」と教えてくれました。カタログの図録はセキュリティー上拡大できないようになっていて、細かいところまでわからなかったので、ラベルに頼ったのが展示会場で作品を探せなかった敗因でした。「そういうことなんだ!」と気を取り直してもう一度、今度は、時間の関係で47丁目のオフィスからタクシーを飛ばしてまた81丁目のメトロポリタン美術館へとんぼ返り。同美術館の正面階段を上り、アジアウイングの日本館の展示ホールを正面ゲートから奥に進んだ突き当たりの奥の右側の壁のガラスケース内にその2点はありました。眞子さんが執筆したカタログには、絵の詳細な分析、一遍の生涯の物語、一遍の描写の違いについての説明が英文でなされています。同美術館のアジア部門責任者のジョン・カーペンターさんが元々記述した解説「平清盛入道図」を同氏の指導で訂正、加筆修正したもので、同美術館のホームページでは「Monk Ippen Giving a Warrior the Tonsure and His Wife as a Lay Buddhist Nun」の新しいタイトルに修正されて紹介されています。現在展示されている日本館でのケース内の表題は、まだ修正前の「山田真山筆、平清盛入道図」のラベルが貼られているままなので、名前で探しても到底見つかるはずがない訳です。いずれ、館内のこのラベルも「平清盛」から「一遍」に取り替えられることになるのでしょうね。そしてその時には、眞子さんの名前が解説者としてラベルに記載されているのをガラスケース越しに見ることができるでしょう。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2022年4月23日号)

(1)眞子さん初めてのお仕事 メトロポリタン美術館で 

(2)80年代DISCCO音楽で ローラースケート

(3)ジャパン・ヘリテージ・ナイト  メッツ球場で5月13日

(4)NY日本総領事館 森大使の着任披露

(5)これで安心!  おひとりさまの永住帰国

(6)生き生き EATS アスパラとイチジクの胡麻和えなど

(7)ブルックリン 名物屋外イベント

(8)冷泉彰彦氏と行く アイビーリーグ キャンパス・ツアー

(9)新ブロードウエー界隈 マイケル・ジャクソンのMJ

(10 )ミニマリズム 宮本和子展覧会JSで

眞子さん初めてのお仕事

メトロポリタン美術館日本館

展示作品のカタログに実名で解説

 秋篠宮家の長女、小室眞子さん(30)が、ニューヨークのメトロポリタン美術館アジアギャラリー内日本館に展示されている掛け軸のオンライン版のカタログに実名でこのほど解説を執筆し、同美術館デビューを飾った。この掛け軸は、沖縄の画家、山田真山(1887〜1977)が、鎌倉時代(1192〜1333)に仏教を大勢の人々に紹介するために日本中を旅した僧侶、一遍の生涯に着想を得て描いた作品。日本館の展示ホールを正面から奥に進み、突き当たりの右側の壁のガラスケース内に2点展示されている。(写真)眞子さんが解説を書いた山田真山の掛け軸(左の2枚、日本館で4月16日、写真・三浦良一)


メトロポリタン美術館

 このカタログには、絵の詳細な分析、一遍の生涯の物語、一遍の描写の違いについての説明が英文でなされている。同美術館のアジア部門責任者のジョン・カーペンターさんが記述した解説「平清盛入道図」を同氏の指導で加筆修正したもので、同美術館のホームページでは「Monk Ippen Giving a Warrior the Tonsure and His Wife as a Lay Buddhist Nun」のタイトルで紹介されている。現在展示されている日本館でのケース内の表題はまだ修正前の「山田真山筆、平清盛入道図」のラベルが貼られている。

 眞子さんは、国際基督教大学で芸術と遺産の学士号を、2016年に英国レスター大学で博物館とギャラリー研究で修士号を取得し、東京大学の大学博物館では特別研究職を務めて施設と皇室の職務を両立していた。現在は、ビザの関係で報酬を伴わないインターンに近い形での勤務と見られるが、パンデミック以降同美術館では大規模なリストラがあったため、経済再開と共に今後、スタッフの増員は急務で、眞子さんのキャリアからして将来的には段階を踏んで正規職員への道も大いにありそうだ。

鎌倉時代の一遍上人を紹介

 眞子さんの記名があったのは、メトロポリタン美術館の所蔵品紹介のうち、山田真山の絵画『「發心 出家」一遍聖絵(ひじりえ)の場面より』の解説文。鎌倉時代の僧侶で、時宗の開祖・一遍を描いた絵巻を題材として描かれた絵であると紹介している。解説の全文は次の通り。

      ◇

 一遍は1299年に描かれた絵巻物(国宝)が有名だが、その後の模写や写真による複製もあり、この二幅の掛軸は一遍聖絵の一場面をそのまま描いたものと思われる。真山がどの絵巻を手にしたかはわからない。原巻は、阿弥陀仏を信仰し、念仏を唱える智宗の開祖、一遍(1239〜1289)の信仰生活を描いた12巻からなる巻物である。1278年、一遍は全国行脚を続けながら、備前国(現在の岡山県)藤井で教えを広めていた。カリスマ的な僧侶の説法に多くの人が感動したが、巻4の第3段では、岡山・吉備津神社の宮司の娘婿で、夫の留守中に発心して仏門に入った女性の体験談を取り上げる。

 原図では肘掛に座って一遍から剃髪を受ける姿が描かれているが、右隻は誓願直後の姿で、尼僧の衣をまとい、数珠を持ち、肘掛に座って家人に取り囲まれた姿である。真山の右端の女性は、巻物の人物(おそらく若い男性)に似ており、膝をつき、袖を顔に当てて泣いている姿はよく似ている。また、尼僧の背後の床の間には「阿弥陀降臨」の図が描かれているが、これは巻子本の「阿弥陀降臨図」に描かれている雲に乗った阿弥陀仏から着想を得たのであろう。

 岡山吉備津神社の宮司の息子で武士の夫が帰宅すると、妻の改宗に腹を立て、一遍を刀で斬り殺そうとした(『一遍聖絵』の原画の場面)。しかし、一遍に話しかけられ、初対面にもかかわらず自分が神主の息子であることを知ったことから、すぐに悔い改め、智宗に改宗することになる。左隻は、明らかに一遍の絵伝をもとに新山が描いたもので、神官の子が一遍から得度を受ける場面である。右隻と同様に、一遍上人伝の二場面と比較すると、人物の姿勢、服装、背景、添景など、いくつかの点で共通点が見られる。例えば、日焼けして黒ずんだ顔の一遍は、肌の白い武士の上に立っており、両者とも右を向いている。黒衣をまとった僧は、左手を男の頭に置き、右手で武士の髪を剃り落とす。男は一遍を殺そうとした形跡のある刀、木製の水桶、折りたたんだ烏帽子を地面に置いている。背景には苔や地衣類に覆われた木々が描かれているが、真山は日本画の現代的な手法で描いている。

小室眞子、ジョン・T・カーペンター翻案、2022年2月3日

80年代ローラースケートDISCO

ロックフェラセンター

 ロックフェラー・センターを所有する不動産投資会社ティッシュマン・スパイヤーが、NYの冬の風物詩のひとつである同センターのアイススケート場を今月15日からローラースケート場として営業している。 

 同社は、家族が1979〜81年にロサンゼルスで一世を風靡した伝説のローラースケート・ディスコ「フリッパーズ・ローラー・ブギー・パレス」を経営していたモデルのリバティ・ロスさんと提携し、同センターとしては1940年以来初めて、ローラースケート場復活が実現することになった。

 同ディスコは、かつてディスコとして運営していたブロードウエー劇場に因み「スタジオ54オン・ウィールズ」としても知られた。プリンスやシェール、エルトン・ジョン、ロビン・ウィリアムズなど多くのセレブたちが常連だったが、建築許可の問題でわずか2年で閉店した。 

 同ローラースケート場のデザインは、ファッションショー・プロデューサーのアレクサンドル・ドゥ・ベタック氏に依頼した。DJブースを設置しディスコ音楽で来場者を盛り上げるほか、ローラースケートのレッスンも提供し、コンサートなどのイベントも予定している。営業時間は月曜〜水曜は午前10時〜午後10時、木曜・金曜は午前10時〜深夜零時、土曜は午前8時〜深夜零時、日曜は午前8時〜午後10時。料金はひとり20ドルで、事前予約が必要。詳細はflippers.worldを参照する。10月まで営業予定。

ジャパン・ヘリテージ・ナイト

メッツ球場で開催
5月13日夕、試合前に

 米国から日本に野球が伝えられて150周年の今年、米大リーグのニューヨーク・メッツ球団は5月13日(金)のメッツ対シアトル・マリナーズ戦(午後7時10分試合開始)の前、午後5時30分から約1時間、試合のプレイベントとして「ジャパン・ヘリテージ・ナイト」を開催する。始球式で森大使が投球する。 

 メッツ本拠地のシティフィールド球場内と球場外敷地にて、日本の魅力を紹介するイベントが行われる。球団は同イベントの特別割引チケットを販売、専用サイトから購入すると先着1000人に日本国旗と桜のロゴが入った特製メッツ帽子がプレゼントされる。入場料は20ドル〜50ドル。チケットはディスカウントチケット購入専用サイトhttps://fevo.me/metsjapaneseheritagenightから。

NY日本総領事館、森大使の着任披露

 ニューヨーク日本総領事館は14日夕、着任した新総領事、森美樹夫大使の着任披露レセプションを大使公邸で開いた。当日は、叙勲したジャズ演奏者のロン・カーターさんやメトロポリタン美術館アジア部門責任者のジョー・カーペンターさん=写真=ら日米招待客一人ひとりに希美代夫人と共に挨拶した。エドワード・マーメルシュタイン・ニューヨーク市国際局長が来賓として祝辞を述べた。

 着任挨拶で森大使は、ニューヨークが3度目の赴任であること、コロナ禍後の経済再開に触れ、外務省領事局長として日本の水際対策にあたってきたことを紹介、日米関係は、昨年4月にバイデン大統領が菅前首相と最初の外国人国家元首として面会した出来事同様、岸田政権でも変わらぬ日米関係の強化に尽力したいと述べた。

 また在留邦人4万人の安全を守ることが総領事館の最大のミッション(使命)であると語り、日系社会、日系ビジネス社会の声に耳を傾けながら、常に開かれた総領事館でありたいと話した。特に国際情勢の中で現在の世界は前例のない挑戦の時代を迎えており1国だけで解決できる問題ではない。パートナーシップを確固たるものにして日米の絆を強くしていきたいと再度強調した。

 さらに今年は、日本に米国のベースボールが紹介されて150年、1872年に岩倉具視の対米使節団から150年であることも記念して5月14日にセントラルパークウエストで開催するジャパンパレードをPR。日米市民の友好親善促進、ニューヨークへの感謝表明、日系社会の連携強化を目的とした同パレードには、日系俳優ジョージ・タケイさんや、太鼓、空手など各界からの参加があるので「ぜひ当日は、パレードを見ていただきたい。音楽のサタデーナイトライブ、お弁当プロジェクト、ニューヨーク日本歴史デジタル博物館なども含め、日本をニューヨークから発信していきたい」と述べた。

これで安心! おひとりさまの永住帰国

NY日系人会サクラ・ヘルス・フェア

山口里美さんがオンライン講演中

 ニューヨーク日系人会(JAA)が主催する第14回サクラ・ヘルス・フェアで、23日(土)から5月9日(月)までライオンズ大学 大人の教養講座シリーズのオンライン講演会(企画・NY日系ライオンズクラブ、協力・マイベストプロ、マイ・イベントUSA)が開催される。一般社団法人 日本リレーションサポート協会代表理事の山口里美さんが「これで安心! おひとりさまの永住帰国」を講演している。

 帰国して日本で暮らしたい人が増えている。ニューヨーク近郊に住む日本人へのアンケートによれば、日本で老後を過ごすことを選択肢として残している人が51・4%と半数以上いる(本紙2021年1月1日号既報)。

 帰国には住まい、日常生活、財産管理という代表的な3つの不安がある。

▽「住まいの不安」

 帰国直後まず困るのは家を借りられないということ。高齢者の一人住まいは健康面や孤独死などのリスクがあるため、預貯金があって返済能力に問題がなくても高齢者に対し、大家の一定割合は入居制限をかけている。一時的に賃貸住宅を借りる場合、身元保証人、連帯保証人サービス、UR賃貸がある。日本の高齢者施設には、経費が安いケアハウスから、安くても介護度が高い介護保険3施設、費用は高いが介護度も高い有料老人ホームなどさまざま。入所要件もサービスもいろいろあり、結局専門家のアドバイスがないと、自分はどのタイプの施設を選べばいいのか分からないという問題に直面する。しかも身元保証人が必要。

▽「日常生活の不安」

 生活支援サービスは、自治会単位、小学校地区単位、市町村単位など多様な事業主体がサービスを提供している。認知症高齢者数は 2012年の462万人から2025年には700万人に増える。認知症になると財産が凍結される。銀行の預貯金が下ろせなくなる、不動産の売却、修繕、賃貸契約が出来なくなる。

▽「お金の管理」

 認知症による財産凍結を防いで、生活費や介護費用が滞らないようにするために(1)成年後見(2)民事信託(家族信託)がある。成年後見には(1)法定後見制度(2)任意後見制度がある。元気なうちに任意後見契約をすることが大切。人生のライフステージに合わせた契約ができる。

 これらさまざまな手続きをバラバラにするのは不慣れな帰国時なだけに大変。山口さんは、日本国内全国に13か所ある日本リレーションサポート協会が、まとめて1か所で相談に乗り手伝うサービスも紹介した。講座の視聴の申し込みは、JAA事務局・電話212・840・6942、 Eメールinfo@jaany.org まで。申し込んだ人に後日視聴先URLアドレスを通知する。

アスパラとイチジクの胡麻和え、旨味トマト、酒粕チーズケーキ

プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)

元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (24)

 今月は、マンハッタンのノーマッド地区に新しく出来たカジュアル和食と寿司レストラン「TOWA」の料理長、白井雅也さんに季節の移り変わりと料理から五感で感じる事ができる三品を作ってもらいました。白井さんは、大阪辻調理師専門学校を卒業後、大阪の松崎、なだ万、樂待庵で10年修行し2008年に来米。すし膳、寿司麻布のヘッドシェフを歴任したベテラン。伝統的な和食の調理法で素材を調理し、素材の味や旨味を最大限に引き出す料理を提供する人気シェフです。今回は副料理長の樋口隆亮さんがお手伝いしてくれました。

■アスパラとイチジクの胡麻和え

【材料】

アスパラ 5本

イチジク 3個

胡麻地 30g

〈出し〉

水 800cc

茅乃舎出しパック 2袋

 鍋に水800cc茅乃屋の出しパック2袋を入れて火にかける。沸騰したら中火で3分、冷水で冷ます。

〈アスパラ漬け地〉

[A]

出し 630cc

薄口醤油 35cc

濃口醤油 10cc

味醂 40cc

 鍋に入れて沸騰したら冷水で冷ます。

〈胡麻地〉

[B]

煎り胡麻 100g

出し 40cc

濃口醤油 40cc

上白糖 40g

 vitamixに[B]入れてペーストする。冷蔵庫で保存可能(1週間)。

 アスパラの硬い部分硬い部分切り、皮むきで皮を掃除する。

 アスパラをボイルして氷水で冷まして2cm位の大きさにカットして漬け地[A]に一晩漬ける。

 アスパラを漬け地から引き上げキッチンペーパーで水分を取る。

 イチジクの皮を剥く

アスパラとイチジクをボールに入れて胡麻地30gを入れて和える。


■旨味トマト

オーガニックトマト 1個

パッションフルーツ 1個

トマトは湯むきしてAの漬け地に一晩漬ける。

〈出し〉

水 800cc

茅乃舎出しパック 2袋

 鍋の水と出しパックを入れて火にかける。沸騰したら中火で3分、冷水で冷ます。

〈漬け地〉

[A]

出し 630cc

薄口醤油 35cc

濃口醤油 10cc

味醂 40cc

乾燥椎茸 1個

昆布 10g

 鍋に入れて沸騰したら冷水で冷ます。

〈水戻しチアシード〉

水100g

チアシード10g

 常温で一晩戻す。

〈旨酢ゼリー〉

[A]

出し 180cc

酢 30cc

濃口醤油 8g

薄口醤油 20g

上白糖 5g

パールアガー 7g

 鍋に[A]を入れて火にかける沸騰したら火を止めてパールアガー7gを入れて泡立器で混ぜて氷水で冷ます。冷めたらザルで裏ごしてジュレにする水で戻したチアシード50gとジュレを混ぜる。

 トマトを漬け地から取り出して食べやすい8カットくらいの大きさにカットする。お皿に旨酢ゼリーを入れてトマトを置きパッションフルーツの果肉を散らす。


■酒粕チーズケーキ

[A]

酒粕 50g

Philadelphiaクリーム

チーズ 450g

生クリーム 225g

グラニュー糖 180g

卵 3個

[B]

小麦粉 9g

コーンスターチ 4g

<蜂蜜ソース>

蜂蜜 100g

レモン汁 10g

刻み柚子 15g

 [A]のクリームチーズと酒粕はは小さく切る

生クリーム、グラニュー糖、クリームチーズ、酒粕をボールに入れて湯煎で10分ほど柔らかくする。柔らかくなったらフードプロセッサーに入れて卵3個をいれてペースト状になるまで混ぜる。ペーストになったらボールに移して[B]の小麦粉とコーンスターチをふるいにかけて軽く混ぜ合わせる。

 ケーキの型にクッキングペーパーを敷きペーストを流してアルミホイルをして

オーブンで350°F で25分焼く。


TOWA(叶和)

36 W 26th St, New York NY 10010

TEL:(646) 351-6258

営業時間:火曜から木曜 午後5時開店、
午後9時半ラストシート

金曜、土曜〜午後5時開店、
午後9時半ラストシート

おまかせカウンター:
2セッション、午後5時半、または午後8時から、

$100コースのみ提供

ブルックリン発祥の名物屋外イベント

 春になり、屋外イベントも次々スタート。ブルックリン発祥の名物屋外イベントといえば、さまざまなグルメが味わえるスモーガスバーグとフリーマーケットが今年も4月上旬から毎週末に開催されている。天気のいい日は散歩がてら、新作グルメや掘り出し物を見つけに行こう!

●スモーガスバーグ(フードマーケット)

 2011年5月に生まれた、ブルックリンの職人技が光るフードシーンを紹介するイベント。毎年、新たなメニューを携えて地元・地域のレストランや業者が出店する。今年も去年と同様に、ウィリアムズバーグ、プロスペクトパーク、マンハッタンのワールドトレードセンターと、お隣りのNJ州ジャージーシティの4か所で開催される。開催日は金・土・日のいずれかで、時間は午前11時から午後6時まで。

詳細はhttps://www.smorgasburg.com/

Chelsea Flea and Brooklyn Flea on Sept 19, 2020.

●ブルックリン・フリー(フリーマーケット)

 2008年にスタートしたブルックリン・フリーでは、家具、古着、収集品、アンティーク、地元のアーティストやデザイナーによるジュエリー、アート、工芸品などを販売。ダンボ地区で毎週末(土・日)午前10時から午後5時、12月ごろまで開催中。公式サイトにはいまも出店募集があるので、今年は自慢の作品を持参して参加してみては。出店料は1日150ドル。

詳細はhttps://brooklynflea.com/

●タイムアウトマーケットNY(フードホール)

 2017年にオープンした、情報誌「タイムアウト」によるダイニング&カルチャー施設。1階フードホールには各国の料理店のほか、デザートやスイーツショップがずらりと並び、コーヒーやバーのドリンクメニューも豊富。屋内施設だが、ルーフトップのテラス席での飲食も可。間近に迫るブルックリン橋やマンハッタンの夕暮れの美しさは一見の価値あり。年中無休、午前8時から午後10時まで営業中。

詳細はhttps://www.timeoutmarket.com/newyork/