日本のいいものを海外に紹介

ノース・レーン・インターナショナル代表

徳重 真梨子さん

  日本の優れたデザインを、1万人以上の来場者に直接アピールする米国最大規模の見本市「NY NOW」に、北米初の「日本商材専門」展示会DECO  BOKOが出展した=経済面に記事=。日本のいいものを集めてアメリカのバイヤーに紹介して販路を探るキュレーションブースで今年は、書家が毎日違う漢字を記し、「禅」の美に触れられるカレンダーや、「お腹を温める」ことで健康をサポートするハイウェストパンツ、上質でシンプルな鉄製キャンプギアのBBQ用鉄板、エコなお箸など33ブランドが並んだ。

 このコーナーを米国最大の見本市NY NOWに3年前から参加させているのがノース・レーン・インターナショナル(本社ニューヨーク)代表の徳重真梨子さんだ。

 徳重さんは横浜市出身。日本でバンタンデザインで舞台衣装を専攻し、卒業後は東京ディズニーランドや歌舞伎、CM、コンサートなどの舞台衣装を担当した。文化庁から新進芸術家海外研修制度で2007年に来米、ニューヨークのブロードウエーの舞台衣装専門のプロダクションで経験を積んだ。

 ファッションの仕事から縁あってジュエリーの卸販売の会社に転職することになり、そこでNY NOWでのホールセールの営業やビジネスの実務を学んだ。日本の知人からもぜひ商品をアメリカの業者に紹介してもらえないかとの声が増えるようになり、自分で独立すること視野に4年間、通信教育で日本大学商学部を卒業、2017年に会社を設立した。

 少女だった頃、大手電気メーカーに勤めていた父親が海外出張するのをあこがれて見ていた。いつか自分も海外で活躍したいという気持ちが芽生え、小学校4、5年の時に駅前留学で知られるECCジュニアに自分から通わせてと親に頼んだほど。そしていまその夢が叶っている。

 DECO  BOKOの展示は8月4日から7日まで開催された。毎年2月と8月に参加している。個性的でデザイン性に優れた新しい日本ブランドに出会えるとあって、毎回アメリカの一流バイヤーが多数ブースを訪れている。

 今年もユニークかつバラエティに富んだ日本ブランドが集まり大勢のアメリカ人バイヤーがコーナーを訪れていた。

 徳重さんは「ニューヨークは、自分がやりたいと思ったことは信じて突き進んでいけば、かなわないことはない街だと思います。成功しがいがある街だと思います」と話す。

   (三浦良一記者、写真も)