日本語「大好き」アメリカ人

 米内陸部に交流員派遣

国際交流基金が日本文化や日本語紹介

只野由香利(ただの・ゆかり)さん(サウスダコタ州ブラックヒルズ州立大学)派遣(写真提供・国際交流基金)

 国際交流基金は、アメリカを含めた全世界の日本語教育の状況(機関数、教師数、学習者数等)について3年に1度、継続的に調査を行ってきている。それによると2021年北米の教育機関数は1372機関、教師数は4675人、学習者数は17万9695人となっている(関連記事6面)。

 学習者数の教育段階ごとの比率は初等教育10・7%、中等教育42%、高等教育39・2%、学校教育以外8・1%。なお、機関数の90・5%、教師数の87・9%、学習者数の89・8%を米国が占めているほど圧倒的に米国での日本語学習実績が高くなっているのが特徴だ。

 全米の日本語教育機関の調査は、国際交流基金ロサンゼルス日本文化センター(JFLA)が管轄している。国際交流機関は、海外の日本語教育を日本政府として取り組むため、国際文化交流を実施する日本で唯一の専門機関として1972年に外務省所管の特殊法人として設立され、2003年に独立行政法人となった。

 同基金が米国に関して特に力を入れているのは、日米草の根交流コーディネーター派遣(英語名・Japan Outreach Initiative:JOI)プログラムだ。これは米国の草の根レベルで日本への関心と理解を深めることを目的に地域に根ざした交流を進めるためのコーディネーターを2年間派遣する事業で現在20期まで完了しており、日本との交流の機会が比較的少ない米国の南部、中西部、山岳部の大学や日米協会をはじめとする地域交流活動の拠点に人員を送っている。

 派遣員は、その地域の小学校から大学までの教育機関、図書館、コミュニティーセンターを訪れ、日本人の生活ぶりや、伝統芸能、日本語など日本の幅広い文化を紹介する活動を行なっている。