ティファニー前で朝食を
高級品を買えなくても、映画「ティファニーで朝食を」の主人公のように、ペイストリーをかじりながらショーウィンドウを眺める名場面を今月、実現できる。
1961年公開の同映画は、オードリー・ヘプバーン演じるホリーが五番街のティファニーの前でタクシーを降り、ショーウィンドウを眺めながら紙袋から取り出したペイストリーをかじるシーンで始まる=写真=。ホリーがペイストリーを購入した店は実在した「シュラフツ」で、五番街のホリデー・シーズン歩行者天国プログラム「フィフス・アベニュー・オープン・ストリーツ」の一環として、今月の第1、2、3日曜限定で、ティファニー本店の角、歩行者天国の五番街の56〜57丁目でポップアップ店を出店している。創業当時の古いレシピを参考にしたペイストリーや暖かい飲み物は、ホリーが抱えていた紙袋に入れて提供する。
同店は、菓子職人のウィリアム・F・シュラフトが1861年にボストンで開業した。NY店は、98年に西36丁目とブロードウエーに菓子店、1911年にはエスコート無しで女性が食事ができる初のレストランを開店し、アンディ・ウォーホルやマリリン・モンロー、フランク・シナトラ、ケネディー家などの著名人たち、そしてヘプバーン自身も常連だったという。68年時点ではチェーン店を55店舗展開していたが、70年代に食品製造業者ピルズベリーに買収され、NY店も80年に閉店した。