今年こそ日本パレード実現へ

NYで5月実施を計画

セントラルパークウエスト飾る日本文化

 「ジャパンデー@セントラルパーク」は2022年5月、ニューヨーク初の「ジャパンパレード」を計画している。22年は、1872年に岩倉具視を特命全権大使とする使節団が米国を訪問してから150周年と日米関係において重要な節目の年にあたる。使節団訪問を契機に、同年ニューヨークに日本領事館が設置されるなど、日米関係の深化に繋がった。

 ニューヨークでは、世界各国出身のエスニックグループがそれぞれのコミュニティの文化やライフスタイルを誇示するパレードが行われてきた。「ジャパンパレード」は、ニューヨークでは初めての「ジャパン」と名の付く記念すべきパレードとなる。

 ルートは、セントラルパークウエストの81丁目から68丁目を南下、参加団体は80〜100を予定しており、盆踊り、よさこいなどの伝統舞踊、空手、なぎなた、柔道など武道のグループ、お神輿や鯉のぼり、太鼓、着物のグループ、侍パフォーマーから人気キャラクター、コスプレなど、伝統に加えてモダンな日本の魅力をニューヨーカーにアピールする。

 同パレードの実現に向けて、主催のJapan Day Inc.(実行委員会名誉委員長・山野内勘二在ニューヨーク日本国総領事館総領事・大使、委員長・上田淳三井住友信託銀行米州地区支配人・ニューヨーク支店長)は、協賛、寄付、またアマゾン・ドットコムでの買い物額の一部が自動的に寄付される「アマゾンスマイル」を通じた支援を募っている。Japan Day Inc.はニューヨーク州認定の非営利団体で、直接寄付すると税額控除を受けることが可能。


神奈川県の寒川神社がブルックリン植物園に寄贈したお神輿も

 当初、20年に14回目のジャパンデー開催に加えて、1860年の万延元年遣米使節団による米国訪問160年を記念したパレードを計画していた。しかし新型コロナウイルスの感染拡大を受け、残念ながら中止に。21年も野外イベントはできなかったが、日米市民のフレンドシップへの感謝を込め、「ジャパンデー・ 2021・サンキュープロジェクト」と題したオンライン配信などを行った。

 21年夏以降、ニューヨークでも野外イベントやパレードが復活し、多くの観衆が声援を送る様子が伝えられている。それらの状況をふまえ、日本文化の魅力を新しい形で発信し、さらなる交流を図ることを目的に、ジャパンパレード・2022の準備を開始している。新型コロナウイルス関連その他の状況に関しては慎重にモニタリングを継続中で、市当局とも連携の上、パレード開催について現在最終調整を行っており、22年1月中に正式決定が下される予定だ。

 それに先駆けて、日本の魅力を発信するパレード参加団体を募集している。興味のある団体は、ウェブサイトの所定のページから申し込む。1月の決定後は、ジャパンデー恒例アート作品のコンテストの募集が開始される。

 参加団体例は、日本の文化、伝統、芸術、スポーツ等の団体、マーチングバンド、チアリーダー、学校、県人会、同窓会、趣味のグループ、日米友好団体など。

162年ぶりの日本行進

YOSAKOI Soran Festival. Powerful dance performances parade in Odori Park, Sapporo City. Many teams showcase the original dance. A very popular festival for tourists.

 1860年6月16日、当時の日本政府の公式代表である76人の侍がニューヨークに到着し、盛大なパレードを行った。ニューヨーク・タイムズ紙によると、ローワー・マンハッタンの行列には50万人の人々が集まり、当時のウッド市長が一行を歓迎したという記録が残っている。侍の到着はメディアを熱狂させ、詩人のウォルト・ホイットマンは、同紙にこの盛大な到着を記念した詩を寄稿した。この日以来、ビジネス、芸術、スポーツなど、さまざまな分野で活躍する多くの日本人がニューヨークに滞在し、学び、働き、両国の関係を深めている。

 1872年の使節団『岩倉ミッション』が欧米諸国で得た知見は、その後の日本の発展に大きく貢献した。

 その150周年を祝うこの節目の年に、改めて日米関係の軌跡を振り返り、ニューヨークに感謝の意を表しつつ、未来世代へ友好のバトンを繋いで行くことがジャパンパレードの目的である。


・協賛、寄付に関する情報、参加お申し込み:

japandaynyc.org

・アマゾンスマイルからの支援:

smile.amazon.com/ch/20-5864522