NY新潟県人会35周年祝う

日本から43人が来米、総勢105人参加で盛大に式典

故郷と米国結ぶ絆

 ニューヨーク新潟県人会(大坪賢次会長)は10月27日午後1時からマンハッタンのエンパイア・ステーキでNY新潟県人会創立35周年記念式典を開催した。新潟県から花角英世新潟県知事をはじめとする一行43人が来米して、同会35周年を祝う盛大なものとなった。

35周年記念バナーを花角知事(右)から受ける大坪NY新潟県人会会長

 来米したのは、花角知事はじめ林茂男・南魚沼市長、二階堂馨・新発田市長、宮田亮平・東京新潟県人会会長(元東京芸術大学学長・前文化庁長官)、馬場幸夫・新潟日報社常務取締役、酒井昌彦・NST新潟総合テレビ代表取締役社長ら県有力者がズラリ顔を並べた。NY側も山﨑和之国連大使、森美樹夫NY総領事・大使、三浦聡ジェトロNY事務所長らゲストと在米県人の総勢105人が参加した。当日は、花角知事から大坪会長に35周年を祝うバナーが手渡された。 

 式典は県人会役員の大滝哲生さんの司会で進行し、新潟市在住のオペラ歌手、今井あいさんによる国歌斉唱(ピアノ伴奏・松下愛美)で始まった。同役員の野口レイ子さんによる乾杯のあと、大坪会長の挨拶、花角英世新潟県知事、森NY総領事・大使、宮田亮平・東京新潟県人会会長がそれぞれ祝辞を述べた。

 このあと、同県人会の35年間の歩みが、県出身アーティストの遠藤信さん制作によるビデオで上映された。同県人会は、1989年10月ブッシュシニア米大統領、竹下登総理の頃、マンハッタン・ミッドタウンの日本食レストラン「浪花」に第四銀行NY駐在員事務所の岩尾さん、全農NY支店駐在員の坂田さん、新潟市のお茶屋「浅川園」の子息でKPMG会計事務所勤務の浅川さん、それに現会長の大坪氏の4人が集まり、ニューヨーク新潟県人会が設立された。

 その後、ニューヨーク新潟県人会の運営は第四銀行が行った。95年に皇后雅子さまの父、小和田恒氏が国連大使としてニューヨークに赴任し、NY新潟県人会に入会。第四銀行NY支店がニューヨークから撤退すると、県人会の活動はやや下火になったが、地酒の対米輸出振興を柱に、新潟の蔵元を紹介するショールーム開設に尽力した大坪氏が会長に就任して現在にいたっている。

 毎年、新年会•春の花見、夏のBBQ大会、秋のワイナリーツアーを実施しているほか、新潟県から来たゲストを囲み随時歓迎会を行っている。現在会員数は350人とニューヨークに存在する県人会の規模としては最大。県人会長の出身地でもある同県内南魚沼の中高生を昨年から毎年ワシントンDC、NYに招き、県人会の家にホームステイさせるなど、県人会の日米交流も盛んだ。これらの功績から大坪会長は、式典に先立つ9月29日、新潟県南魚沼市市民会館で開催された新潟県南魚沼市市制施行20周年記念式典で、林茂男南魚沼市市長から表彰されている。

 エンパイア・ステーキのフルコースが出席者に振る舞われるなか、三浦聡ジェトロNY所長、馬場幸夫・新潟日報社常務取締役、高澤大介菊水酒造社長が来賓挨拶と祝辞を述べた。このあと新発田市の二階堂馨市長による日本舞踊(着付けは大西鏡子)、新潟市在住津軽三味線師で来年4月に3度目のカーネギーホールリサイタルを控える小林史佳氏による演奏が披露されれ終始和やかな雰囲気で歓談が進み、大滝役員から協賛企業への感謝の言葉、高橋啓NY日系人会副会長の閉会の挨拶で幕を閉じた。

「挑戦する県民支える」

花角県知事が来米し挨拶


 「ニューヨークで前回30周年の時にもお招きいただき、今回こうして5年ぶりに皆さまと再会できてとても嬉しく思います。これほどの規模でニューヨークで芸術、北米でのビジネス展開に挑戦する県民を受け止めてご支援いただいていること、また大坪会長のリーダーシップのもと南魚沼市の子供たちが訪米した際もご配慮いただいたことに心から感謝します。新潟を思う皆様ニューヨーク新潟県人の熱い気持ちが伝わり、今回の来米のもう一つの目的である新潟の農水産品や金属など県産品の対米PRにも力強い手応えを感じ、新潟の持つ魅力を広く発信していけますよう、これからもお力をお貸しいただけますよう合わせてお願い申し上げたい」

「日頃の活動に敬意」

森NY総領事・大使


 「今日は有名なジャズ・ベーシストのロン・カーターご夫妻がお見えになっておられるが、県人会の活動でロンさんのような方が来られるようなところは他にはないのではないか。新潟県人会の日頃の活動の素晴らしさに敬意を表したい。南魚沼市からは中学生、高校生を送ってこられて見聞を広める支援を続けておられる。総領事館の仕事は日本の文化、日本の底力をニューヨークの人たちに伝えていき正しい評価を得ることだが、新潟県は日本酒も米国で高い評価を得ています。私も役得ですが、国の方針でニューヨークでは日本酒の良さを伝えるのも仕事です。皆さんもこれからも日本人の心意気をこれからもどんどん広めていただきたい」

日本からの式典参加者(敬称略)

《新潟県》

 花角英世・新潟県知事、野上文敏・新潟県産業労働部長、土田良克・新潟県農林水産部副部長兼政策監、平澤淳・新潟県知事政策局秘書課課長補佐、山田一之・新潟県知事政策局国際課課長補佐、佐々木育子・新潟県知事政策局国際課政策企画員、樫本直子・新潟県知事政策局国際課英語コーディネーター、小林遼・新潟県産業労働部産業政策課主査、髙間健・新潟県農林水産部食品・流通課主査、武内沙樹・新潟県農林水産部食品・流通課技師

《市町村》

二階堂馨・新発田市長、林茂男・南魚沼市長、渡邉誠一・新発田市農林水産課長、阿部一樹・新発田市商工振興課主任、清田稲盛樹・新発田市観光協会理事長、佐藤和紀・新発田市観光協会、上村直樹・南魚沼市秘書広報課長

《経済団体》

吉田至夫・新潟経済同友会代表幹事、宮田亮平・東京新潟県人会会長、宮田節子・東京新潟県人会会長夫人

《報道機関》

馬場幸夫・新潟日報社常務取締役、酒井昌彦・NST新潟総合テレビ代表取締役COO、棚橋祐太・NST新潟総合テレビ記者

《県内企業》

宇尾野隆・ウオショク代表取締役社長、宇尾野佑・ウオショク営業2課課長、高澤大介・菊水酒造代表取締役社長、坂本明・グラムスリー代表取締役社長、小林知行・諏訪田製作所代表取締役社長、小林岳洋・新潟農商代表取締役社長、南雲真仁・八海醸造代表取締役副社長、海津博之・八海醸造専務取締役、塚野裕之・八海醸造執行役員、亀田直樹・千年(八海醸造)経営企画室長、堀江拓尓・ホリエ代表取締役社長、田辺暁美・ホリエ常務

《その他》

今井あい・オペラ歌手、村木加奈子・ラッティークイーン、井上アリス・損保会社秘書、小林史佳・津軽三味線師、服部真吾・弁護士、木村顕悟・アーティスト、木村顕悟夫人、秋山武士・レストランBITオーナーシェフ、島田珠実・レストランBIT社員

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《ゲスト》

山﨑和之国連大使、森美樹夫NY総領事・大使、三浦聡ジェトロNY事務所長、齋藤淳米国時事通信社長、ロン・カーター・ジャズプレーヤー、クエンテル・カーター・ロン・カーター夫人、村田起代子・ロン・カーター・マネージャー、ティム・ライアンCIA総長、マイケル・ベッカーCIA学長、オーガスト・チェラディニCIA理事長、マーク・エリクソンCIA事務総長、三浦良一・本紙週刊NY生活発行人ほか。