百貨店彩り競う
ニューヨークの街はホリデーシーズン一色だ。大手老舗百貨店のショーウィンドウも華やかなディスプレイに彩られる。その象徴とも言えるメイシーズ・ヘラルドスクエアの旗艦店が「Give Love」のテーマで冬のノスタルジーを繰り広げている。ラッピングペーパー、シャンパングラス、おもちゃ工房、北極くまを見る立体カメラなどガラスの向こうに趣向を凝らした白銀の世界が広がる。連日1万人が見物に来るショーウインドウは、歳末商戦の最中に子供だけでなく大人たちも魅了し、お正月元日まで続けられる。(11月25日、メイシーズ百貨店で、写真・三浦良一)
ブラック・フライデー、好調な歳末商戦
オンラインでの購入が増加
マスターカードのスペンディングパルスによると、ブラックフライデーと呼ばれる感謝祭翌日の11月24日の実店舗およびオンライン含めた米国の小売売上高(自動車を除く、インフレ調整前)は前年比2・5%増加した。
特にオンラインでの購入が増え、前年同期比8・5%増加した。アパレルや宝飾品、飲食店の分野が伸び、店舗売上高も1・1%増加した。センサーマティック・ソリューションズによれば、来店客が前年比4・6%増加と、やや客足が戻った。
アドビ・アナライティックスによると、24日のオンライン売り上げは前年比7・5%増で、過去最高の約98億ドル(約1兆4600億円)を記録した。アドビ・デジタル・インサイツのビビック・パンディア主任アナリストによれば、オンライン売上のうち53億ドル(約7889億円)がモバイルショッピングで、衝動買いが多かった可能性があると指摘、インフルエンサーやソーシャルメディアの広告の影響が大きいとしている。近年人気のある「今すぐ購入、後で支払う」は7900万ドル(約118億円)で、昨年より47%増加した。
ガソリンや食料品などの記録的な物価高の最中だった昨年に比べると消費意欲は高まったとみられる。アドビによれば、よく売れたものは定番の玩具・ゲームと並び、スマートフォンやテレビなどの電子機器が目立った。オンラインでは価格比較が容易のためか、どの製品も割引率が高いものが順当に売れたという。