NYの求人情報、給与表示を義務化

 NY市当局は1日、新たな給与透明化法を執行し、求人情報に給与の範囲を提示することが義務付けられた。 

 4人以上の従業員を雇用している同市内の事業主は、オンラインや企業説明会、掲示板などの求人機会で、求人する特定の職種の最低と最高の給与の幅、昇格や転勤の可能性を「誠実に」明記しなければならない。同法は、人種や性別の賃金差を軽減し、従業員が給与の交渉をしやすくなることを目的としている。同市人権委員会は「誠実な給与額」について「求人情報を提示した時点で、採用者に意欲的に支払う用意がある額」としている。 

 3日付の経済専門放送局CNBCのニュースサイトの記事は、同法に従い掲示され始めた求人情報について伝えた。レポーター職=5万~14万5000ドル、テクニカルライター職=12万5800~21万1300ドル、顧問弁護士=10万6000~24万1000、シティグループの顧客サービス業=6万1710~15万5290ドルなど、特定の職務にも関わらず給与の幅が極めて広く「意図的かどうかは不明だが、事業主は新法や従業員の要求に応じられるようさまざまな対処法を探っている様子が目立つ」とコメントしている。また10月30日付のウォールストリート・ジャーナル紙の記事は、事業主は求人情報の掲示を下げる代わりに、志望者に通常の電子メールで申請することを促したり、求人仲介会社に依頼するなど、代替案を検討する可能性もある、と指摘している。

 同法案に応じていない場合は、求職者や従業員は同市人権委員会に告訴し、事業主には違反改めとして30日間の猶予が与えられるが、それでも応じない場合は民事制裁金25万ドルが課せられる。NY州議会でも同様の法案が今年6月に可決され、今後州知事の署名後に執行される。