NY日商第35回年次晩餐会開催

日米関係の調和を確信

 ニューヨーク日本商工会議所(吉森桂男会頭/米国三井物産社長)は、13日夜、ニューヨーク・ヒルトン・ミッドタウンで「第35回アニュアル・ディナー」を開催した。このガラ・ディナーは、日米財界人の交流親睦とビジネス強化を目的として毎年開催されているもので、今年は昨年より多い1000人近くのビジネス関係者が一堂に会した。
 ニューヨークでも最大規模のチャリティーイベントでもあり、この晩餐会の収益金は慈善基金「JCCファンド」を通じて日米友好理解・教育振興・地域貢献活動などのために幅広く役立てられている。
 今年のディナーチェアマンは三菱UFJフィナンシャル・グループの常務執行役員・米州副担当の越 和夫氏。共同チェアマンはデロイトCEOのジョー・ウクズグル氏。基調講演にはモルガンスタンレー会長のジェームズ・ゴーマン氏を迎えた。
 日米および世界の友好と理解に貢献した個人に与えられる功労賞「イーグル・オン・ザ・ワールド・アウォード」は、前駐日米国大使のキャロライン・ケネディさんと国連軍縮担当事務次長の中満泉(なかみつ・いずみ)さんに授与された。また、今年2月に亡くなった日本文学研究者で元コロンビア大学教授のドナルド・キーン氏に特別栄誉賞が贈られた。当日はキーン氏の養子のキーン誠己さんが賞を受け取り喜びを語った。今年の晩餐会のテーマは「和」。「令和」の「和」でもあり、日米関係のハーモニーを象徴する「調和」が演壇の各氏のスピーチで触れられた。
 1985年に開催された第1回目の晩餐会にも出席したことがあるという日本人報道関係者はこれまでを振り返り、「35年間で日米間の政治的歩調に大きな乱れがなく同盟関係の強い絆を維持できた35年だった。この間に日本の経済力が低迷して元気がなくなった時期もあったが、日本の阪神淡路大震災、東日本大震災、米国の同時多発テロという両国を襲った災いを民間セクターが日米ビジネスパートナーとしての絆を通して助け合い、友好を深めてきたと思う。1年に一度こうして日米ビジネス関係者が集うことはとても大切だ」と感慨深く語っていた。