視覚障がい者ランナー伊藤さん
20回記念ラン
4日に開催されたニューヨーク・シティー・マラソンで、日本から参加した視覚障がい者ランナーの伊藤敏明さん(60)が20回目の出場を果たした。「これまでの20回のいろいろなことを思い出しながら、今年はゆっくり走った」と言い、タイムは6時間39分30秒で完走した。
20年前は弱視で数年前から全盲となった伊藤さんは、翌日の本紙インタビューに対し、「一番つらい所は、クイーンズボロー橋をあがっていく所。それからセントラルパークに入る前の所のずっと長い上り坂。一番好きな所は、ベラゾノ橋を降りた所。ウエーブ1に続いて私たち障がい者が走れるので、大勢の人が走っていないなか、沿道の応援を受けることができるから」と笑顔で話した。同マラソンへの参加は、「私も60歳。20回を機にひと休みという気持ちもある」と言いつつも、来月には東京でのマラソンを控え、走ることは続けていくと話した。
今年は、日本からの視覚障がい者は伊藤さんのほか、安彦幸江さん、和歌幸代さん、藤本正博さん、西條洋さん、また盲ろうランナーの高橋瑛里香さんを含め計6人が走り、全員完走した。(小味かおる、写真提供・長本法子)