私らしい人生のしまい方

大前伶子さん講演

 日本クラブで10月25日、コラムニストの大前伶子さん(77)が、著書『私らしい人生のしまい方』(講談社)について講演した。
 自分の人生の最期に向けて、どのように前向きの準備を行うか。自らの人生経験を交えて、その生き方をつづった大前さんの同書は日本のアマゾン、『中高年向けの自己啓発のベスストセラー』、『恋愛・結婚・離婚のベストセラー』、『女性と仕事のベストセラー』などの6部門で1位を成し遂げた話題作。大前さんは国際的に活躍する経営コンサルタントの大前研一さんの実姉でもある。
 講演で大前さんは、講演会ではよく弟のことを聞かれるので、と前置きし、まず自分の生い立ちと、育った家庭のこと、弟の大前研一さんについてに語った。そして、人生の最期に向けて前向きな気持ちで準備を行うことについては「片付け術が大切、一年経っていらないものはいらないと思い切ってすてる断捨離の大切さ。全てのものはフォルダーに入れて、自分が亡くなった後に残された娘さんが1週間で片付けられるようにしていること、その書類も1年に1回は見直して変更するところは書き直す」などと自ら実践している片付け術を語った。また、感心したのは自分が持っているすべての宝石類を一つにまとめて自分が好きな蝶の形のネックレスにしてしまったことだ。この蝶のネックレスは常に身につけている。
 参加者の一人、言語学者のハミルトン坂上静さんは「こういう方が今の時代に出てきてくれて心強く思う。私は独身で子供もいないが、1人でこれから生きていく生き方を教えてもらった」と話した。また、80歳で会社を興したという現在83歳の参加女性は、「しまい方」も大切だが、まだまだ、次のことを考えて生き生きと過ごして行きたいとも語った。講演会には約60人が参加した。(講演取材と写真:石黒かおる)