おとぎ話ではない眞子様の結婚

米国の論調、NYタイムズ

 秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭さんが10月26日に結婚すると1日に宮内庁から正式発表があり、米メディアも相次いでこれを取り上げた。1日付ニューヨークタイムズ紙電子版は、「おとぎ話ではないお姫様の結婚」と題した東京電の記事を大きく掲載した。小室さんの皇族との結婚が相応しいものかどうかの世論に晒された眞子さまが、誹謗中傷と感じられ、それを長期にわたり反復的に体験された結果、「複雑性PTSD」(複雑性心的外傷後ストレス障害)と診断されたとする国内報道を最初の第一文で報じた。

 「眞子さまを責めることはできないが、馬車に乗って国民からの祝福を受ける機会もなく、お二人のご成婚に国民の多くの賛同が得られていない」とも報じた。

 また、英国王室を離脱したハリー王子とメーガン妃と比較しながらも、彼らがオプラ・ウインフリーのテレビインタビュー番組やネットフリックスの番組制作の話には大金を積まれても応じないだろうとし、小室さんが帰国前にマンハッタンや空港で姿を捉えられた映像からヘアスタイルが髪の毛を後ろで束ねたポニーテールだったことも、皇族との結婚相手として相応しいものかどうか物議を醸すスキャンダルとゴシップをネタとするマスコミの格好の標的となったと報じた。

 結婚式も行わず、女性皇族が結婚によって皇室から離れる際に一般人になっても品位を保って生活していけるように支給される一時金も辞退するということも極めて異例であると紹介した。

 また、ご結婚後の生活として、夫となる小室さんが将来弁護士として務めることになる法律事務所、ロウエン・スタイン・サンドラーの本拠地であるニューヨークで新婚生活をスタートすることにも触れた。眞子さまが英国のライセスター大学で博物館とギャラリー学で修士号を取得され、国際基督教大学で博物館学で博士号を取得して東京大学博物館で過去5年間勤務していたことを紹介しているが、ニューヨークの美術業界で仕事を見つけられるかどうかは疑問だとしている。

海外生活で平穏な日々を

女性皇族から戦後9人目の一般市民に

 1日付ニューヨーク・タイムズ紙(1面に記事)によると眞子さまは、戦後にご結婚され一般市民となった女性皇族の9人目となるが、海外生活を結婚後されるのは眞子さまが初めてではない。同紙は1965年に朝日新聞が報じた島津貴子さん(昭和天皇の5皇女で天皇徳仁・秋篠宮文仁親王《眞子さまの父親》の叔母)のワシントンDCでの海外生活についてのインタビューを紹介している。

 日本輸出入銀行員であった夫の島津久永氏の米国駐在に伴い来米した貴子さまは後日、滞米生活を振り返って、日米での生活を比較して最大の変化は「大勢の人前に出ることもなく、静かに平和に暮らすことができたこと」であったと紹介、NYタイムズ紙は、眞子さまのNYでの新生活が、日本での誹謗中傷から脱出し、静かで平穏な生活になることを示唆した。

眞子さま来米就労に課題
NY移民弁護士が見解

 眞子さまが来米後、働くことは簡単にできることなのか、ニューヨークで移民専門の弁護士として活躍する加藤恵子弁護士はこう語る。「日本のメディアでは、小室さんが就労ビザを取得したと報道されていますが、F1のプラクティカル・トレーニングだと思います。H1Bビザはご存知の通り毎年3月に(以前は4月でしたが)申し込みをします。その時点で学位を受けていることが重要です。今年の申請はすでに3月時点で終了していますから、残るのはF1のOPTです。現在、OPTも卒業の3か月前から申請しても(ニューヨークを始めとする東海岸では5月が卒業なので、仮に2月に申請しても)6か月以上審査にかかっています。ですから、小室さんが2月か3月に申請しても早くて8月にOPTで取れたということになります。その頃に日本のメディアでは就労ビザが取れたと発表されたはずです。また、奥様になられる眞子さまですが、F1のご家族は働けません。またH1ビザを来年小室さんが取得されたとしても眞子さまは配偶者としてH4ビザを取得された場合、やはり就労できません。もし眞子さまがニューヨークで就労をご希望されるのでしたら、日本の政府関係者として日本国総領事館とかまたは国連勤務で外交官枠AビザとかGビザを申請されるのではないかと思います」。一般市民となった場合のビザのハードルは意外に高いようだ。

米国の論調

ニューヨークポスト紙=結婚は「ハリー王子とメーガン妃のアジア版」であり、日本での一連の騒動は「メディア・ソープオペラ」だと報じた。問題視された小室さんの家庭の問題のほか、小室さんがミッドタウンにある大手法律事務所に勤務していること、新居はニューヨークに構える予定など、ニューヨークとは馴染みが深いこともあり詳しい記事となっている。  

ワシントンポスト紙=この結婚について「日本大衆からの憤りの声」があり、結婚に伴う儀式などは行われず10月26日に婚姻届けを出すだけになったとした。また、眞子さまに心的外傷後ストレス障害の症状が出ていることが宮内庁から発表されるなど、結婚をめぐって二人は厳しい世間の目にさらされてきたことに着目。二人の結婚は国際的な注目を集め、皇室を離れ個人の望みを追求する眞子さまの姿勢を支持する声も内外から聞かれるとした。

CBSニュース=「ハリー王子とメーガン妃以上に、日本の眞子さまは皇室から離れる」と報じた。英国王室との関係を大幅に打ち切ったハリー王子とメーガン妃のカルフォルニア移住とよく比較されているとしている。眞子さまの心的外傷後ストレス障害については、2011年にストレスによるうつ病を特徴とする適応障害に苦しんでいることが明らかになった叔母の雅子皇后と似ているとした。

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