日本人被害相次ぐ

地下鉄や路上犯罪で暴行や強奪

 ニューヨークで在留邦人の犯罪被害が相次いで起こっている。10月5日夕方、マンハッタンのブロードウエー34丁目と35丁目の間、通称コリアタウンと呼ばれる繁華街の路上で、歩道を歩いていた日本人女性が、何者かに急に背後から強く押されて転倒し、複数人から上着の内ポケットを探られ、貴重品を強奪される事件が発生した。ニューヨーク日本総領事館によると、被害者は軽傷で済んだが病院に運ばれ、また後から自分の銀行口座を確認したところ、ATM(自動現金預払機)で現金が引き出されていたという。ニューヨークではさる9月27日(日)夕方にもニューヨーク在住の日本人ピアニストがハーレム135丁目の地下鉄B線とE線が通過する駅構内で、改札で男女8人組から通せんぼされ、改札を通ったところ女性から「ぶつかった」と因縁をつけられ、グループから殴られるなどの暴行を受けて病院に搬送されている(本紙10月10日号既報)。

 ニューヨーク市警察(NYPD)によると、今年、マンハッタン南部パトロール地区(セントラルパーク以南)では10月11日現在で強盗事件が913件発生している。これはコロナ禍で経済閉鎖されていた影響等で昨年同期よりも約4%の減少したが、直近の1か月間ではむしろ約14%の増加となっている。またコリアタウンを含むミッドタウンの商業地域では従来から観光客を狙うスリや強盗事件が多く発生している。

 なお暴力犯罪や拳銃発砲事件はニューヨーク市内各地で発生しており、ニューヨーク市では犯罪マップ(https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/j5/index.html)を公表している。総領事館では「このような情報も参考にしながら犯罪率の高い地域に外出する必要がある際には十分に警戒をしてほしい。事件が発生した場合には現場付近には近づかないようにする、夜間の外出や人通りの少ない道は避ける、不審な人物には近づかないなど安全を確保するように」と呼びかけている。