第68回小学館児童出版文化賞
原爆の是非公開討論
米8高校生の証言小説化
第68回小学館児童出版文化賞に、ニューヨーク在住の小説家、小手鞠るいさんの作品『ある晴れた夏の朝』(偕成社)が選ばれた。正賞としてブロンズ像、副賞として賞金100万円が贈られる。贈賞式は、11月14日に都内で開催予定。同書は、アメリカの8人の高校生が広島・長崎に落とされた原子爆弾の是非を肯定派・否定派に分かれて公開討論(ディベート)する様子が描かれる。
小手鞠るいさん喜びのコメント「アメリカで暮らすようになってから27年、在米日本人作家として、このような賞がいただけて、とても嬉しいです。そして、小説家になりたいと思った13歳から数えると、50年後のこの受賞。地道にがんばってきて良かったなぁと、喜びを噛みしめています。本作を読んでくださったすべてのみなさんと、この受賞を分かち合いたいです」。同時受賞は、田中清代(たなか・きよ)「くろいの」(偕成社)、おくはらゆめ「わたしといろんなねこ」あかね書房)の2作品。受賞3作品中2作品が偕成社だった。備選考で選ばれた候補作を対象に、審査委員の荒井良二、今森光彦、鈴木のりたけ、富安陽子、森絵都の5氏による最終選考会が開催され、受賞作が決定した。