ドナルド・キーンさんを偲び200人

(左)故・キーン教授(右)登壇して挨拶する誠己さん

コロンビア大学でおわかれ会

「父は桜の木の下でやすらかに」
養子で浄瑠璃三味線奏者のキーン誠己さんが来米挨拶

 日本文学研究者で今年2月に96歳で死去したドナルド・キーンさんのお別れの会が9月27日、母校で教鞭をとったコロンビア大学で開かれた。教え子や交流のあった人たちが登壇し、キーンさんの思い出を語りその功績を称えた。同会には約200人が参列した。
 コロンビア大学教授・歴史学者のキャロル・グラックさんは「彼は日本文学を読みつくし、とても努力家だった。彼の笑顔と笑い声を覚えている。とてもシャイな人だった」と語り故人を偲んだ。
 三島由紀夫や安部公房ら、多くの日本人作家とも交流があったキーンさん。日本をこよなく愛し、2011年の東日本大震災後に日本への永住を決めて、日本国籍を取得した。
 キーンさんの養子で浄瑠璃三味線奏者のキーン誠己さんも日本から駆けつけ、「父が生まれ育ったニューヨークで、お世話になった人々に素晴らしいお別れの会を開いていただき感謝している」と語り、「父は美しいまでに安らかに、苦しむことなく息を引き取りました」とキーンさんの最後の様子を伝えた。
 お墓はキーンさんの大好きな八重桜の木の下に建っており、毎年お花見が出来るようにしたのだと思うとキーン誠己さんは話した。(石黒かおる、写真も)