トランプ氏暗殺を計画か

容疑者の横顔明らかに

 米捜査当局は15日、フロリダ州ウエストパームビーチにあるゴルフ場でプレーしていたトランプ前大統領を銃撃しようとした疑いで男を拘束した。逮捕された男はハワイ在住のライアン・ウェスリー・ラウス容疑者(58)で、16日にウェストパームビーチにある裁判所に出廷した。有罪判決を受けた重罪犯による銃器所持と製造番号を消した銃器所持の罪で起訴された。最長で20年の懲役の可能性がある。

 ラウス容疑者はノースカロライナ州出身で、長く住んでいたが、数年前にハワイに移り住んだ。裁判記録によれば、ノースカロライナ州で武器の隠し所持、盗品所持、ひき逃げなど100件以上の刑事訴追が行われており、うち2件では重罪による有罪判決を受けている。一つは2002年にノースカロライナ州グリーンズボロで大量殺戮兵器である全自動機関銃の所持によるもの、もう一つは2010年3月の盗品所持などの罪によるものだった。執行猶予付きの判決を受け、仮釈放または保護観察処分を受けているが服役の記録はない。2003年に離婚。容疑者が経営していた屋根工事会社は請負業者や個人から訴えられている。25歳の息子がいるが、現在は月3000ドルほどの収入で、貯金はなく財産はハワイにある1000ドルほどの中古トラック2台と法廷で語った。

 2016年の大統領選ではトランプ氏に投票したが、後に反対に転じた。本人と思われるX(当時はツイッター)への2020年の書き込みには、トランプ大統領(当時)に対し「自分は2016年にあなたを選んだ。私も世界もトランプになればもっと良くなると期待したが、しかし、私たちは皆、大いに失望したし、あなたはますます悪くなり、退化しているようだ。あなたは知恵遅れ(retarded)なのか。あなたがいなくなってくれたら嬉しい」とある。

 ラウス容疑者は2022年にロシアによるウクライナ侵攻直後、ウクライナの外国人部隊に志願しようとしたが拒否されたという。その後、首都キーウにしばらくいたことが分かっているが、ウクライナ領土防衛部隊外国人軍団はラウス容疑者とは何の関わりもないと述べている。またウクライナに行ってロシアと戦う外国人戦闘員の募集を呼びかけ、7月にフェイスブックに投稿したが、どこからも相手にされなかった。