在外選挙の手引き、NY総領事館発表

 在ニューヨーク日本国総領事館は3日、今秋までに実施される予定の衆議院議員総選挙の在外選挙(郵便等投票の活用について)詳細を発表した。

■海外からの投票方法

 「在外公館投票」のほか、「郵便等投票」が可能だが、郵便等投票の手続きには一定の時間がかかる。投票用紙は、選挙の公示日を待つことなくいつでも登録先の市区町村選挙管理委員会に請求することができるため、郵便等投票を利用する場合は早めに請求する。

(1)在外選挙人名簿に登録され、在外選挙人証を持っている人は、「在外公館投票」、「郵便等投票」、「帰国投票」の3つの投票方法により国政選挙(補欠選挙・再選挙を含む衆議院議員、参議院議員の選出選挙)に投票することができる。

(2)海外からの在外選挙の投票方法として、「在外公館投票」のほか「郵便等投票」が可能。郵便等投票は新型コロナウイルス感染防止の一助にもなるので、活用を推奨する。

 「郵便等投票」は、在外選挙人名簿に登録した人が、海外から登録先の市区町村選挙管理委員会に対し、直接、投票用紙を請求し、投票用紙の交付を受け、記載済みの投票用紙を登録先の市区町村選挙管理委員会に郵送する投票方法。投票用紙の請求・交付・送付に選挙管理委員会との間で1往復半のやりとりを要するため、郵便等投票の手続には一定の時間がかかる。投票用紙は、選挙の公示日を待つことなくいつでも請求することができるので、郵便等投票の利用者は、早めに請求する。

(3)なお、「郵便等投票」のために投票用紙の交付を受けた後でも、「郵便等投票」から「在外公館投票」に投票方法を切り替えることは可能。ただし、「郵便等投票」のために投票用紙を登録先の市区町村選挙管理委員会に請求する際、投票用紙等請求書と共に在外選挙人証を送付する必要があり、在外選挙人証が選挙管理委員会から返送されるまで、「在外公館投票」により投票することができないので注意する。

 在外選挙制度や投票方法等の詳細は、外務省ホームページ「在外選挙」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/senkyo/index.html)または、総務省ホームページ「在外選挙制度について」(https://www.soumu.go.jp/senkyo/hoho.html)を参照する。

野党がネット投票法案提出
在外選挙に追い風

 日本は新型コロナウイルス禍の出口が見えないなか、ネット投票を進める動きが出てきた。総務省は海外在住の日本人を対象とした在外投票でのネット利用を検討しているが、コロナ禍が思わぬ追い風となる可能性がある。

 立憲民主、国民民主両党は先の通常国会会期中の6月11日、議員立法「インターネット投票の導入の推進に関する法案」を提出した。

 法案はネット投票の基本方針や行程を定めるもので、まず推進会議を政府内に新設し、具体的な制度設計や技術上の課題を1年かけて検討し、結論を国会に報告する。その後、ネット投票実施の法案を策定するというプログラム法案(特定の政策を実現するための手順や日程などを規定した法律)となっており、選挙制度だけに慎重に進める内容だ。現在、国会閉会に伴い継続審議になっている。

 ポイントとなるのは①どこからでも利用できること、②選挙期間中は24時間投票ができること、③不正投票防止や「投票の秘密」保持のための暗号化技術の活用、④投票用紙を使う現行の方法と併用などだ。2025年の参院選からの導入を目指すが、新型コロナの療養者のネット投票については一足早い実施を検討する。

 法案の筆頭提出者の中谷一馬衆院議員(立憲民主党)によれば、投開票のコスト効率化や利便性向上もあるが、「一番は憲法で保障された参政権を守ること。投票所に行くのが困難な人に投票の権利を確保する」ことだという。海外ではエストニアなどの導入例があり「技術的な問題が起きるとは考えづらい」と述べる。ネット投票で若者の投票率も上がると期待される。