慶應義塾ニューヨーク学院(本校パーチェス、高等部)の学院長に、8月1日付で、英国名門パブリックスクールの元校長、ラルフ・タウンゼント博士が就任した。日本人以外の学院長が就任するのは初めて。慶應義塾の長谷山彰塾長は「タウンゼント学院長の就任とあわせて、ニューヨーク学院は今後、バイリンガル・バイカルチュラル教育を柱とする教育理念を守りながら、欧米の一流ボーディングスクールをモデルとして、世界標準に適合した学校へと進化させる取り組みを進めていく」と宣言した。
同校は90年に開校された慶應義塾一貫教育校の一つ。9学年(中学3年)から12学年(高校3年)までの4年制の高等学校で現在322人が在籍する。ニューヨーク州教育委員会から正式な認可を受けた私立高等学校であると同時に、日本の文部科学大臣により高等学校相当の課程を有する「在外教育施設」として指定された教育組織で、卒業後は日米両国の高校卒業資格を得ることができる。同学院は次の改革を今後順次実施する。
(1)入学時点における高度な日本語能力を前提としない入学試験の実施(2)ボーディングスクールの理想に立ち返った寮・教室一体型の教育の実現(3)一流の教育人の雇用による教育レベルアップ(4)相応の学費水準への改定。
4日、ニューヨーク学院で入学式が行われ、新たに86人が入学した。タウンゼント学院長が新入生にお祝いの言葉を贈った。「創立者、福沢諭吉の建学の精神でもある『ペンは剣よりも強し』という言葉を現代にあてはめ、知力と精神力が腕力よりも優れているということを平和の世界の中で実践して欲しい」と激励した。