銚子→茨城・神栖へ1時間半
ニューヨーク在住で日本食レストランTICグループ代表の八木秀峰ボンさん(75)=写真=が18日、日本の利根川の水泳横断に挑み成功した。千葉県銚子市側から対岸の故郷、茨城県神栖市波崎町まで川幅約1キロの距離を約1時間半で泳ぎ切った。八木さんは市立銚子高校に通い、20歳の時に来米した。ニューヨーク市内で日本食レストランなどを手広く経営して日本食レストラン協会会長を務めるなどし、2019年には叙勲(旭日双光章)を受けている。
八木さんが利根川横断をするのは今回が2度目。20年前にも成功している。「20年前は潮目読みが良かったか分かりませんが、体力ももちろん違うし、横断往復を54分で完泳出来ました。今回の目標は、銚子の市民の人たちが力を合わせて素晴らしい風光明媚な土地柄をもっとアピールして、我々が帰ってきたときにはいつでも安心してレジャー、海鮮料理を楽しめるような自然保護をお願いする次第です」と話す。
千葉と茨城の両岸には大勢の応援する市民がつめかけた。越川信一銚子市長も激励の歌を歌い、千葉県、茨城県から県会議員らも激励に駆けつけた。伴走のボートからは家族や同級生(75歳以上)が声援を送り続けた。しかし途中高さ2メートルを超える波に苦戦。「私も水泳途中、左足のふくらはぎが痙攣を起こし、何度も泳ぎ方を変えたり、当初荒波を想定していたので、水中メガネもつけましたが、最後の400メートルではゴーグルも外しゴールしました。足がつったときには少し弱気になりましたが、75歳を代表しているので、もう一度呼吸を整え足の動きを変え完泳できました。この行事は来年も後輩たちが続けて開催することをお願いしてきました」という。オリンピックでもセーヌ川の水質の件でいろいろ議論があったが、ニューヨークで水泳を欠かさない生活を続けている八木さんは、シニアパワーで、オリンピック選手にも負けないような元気を地元故郷に与えたようだ。
(写真上)利根川を泳いで横断中の八木さん(写真・家族提供)