日本は過去最大の乱高下
週明け8月5日のニューヨーク株式市場でダウ工業株平均が2・4%下落した。一時は前週末比1200ドル超下落し、3万9000ドル台を割り込んだ。S&P500は4・25%下落、ナスダック総合指数は6%以上急落した。
これに先立つ5日の東京株式市場の日経平均株価の終値は1987年のブラックマンデーの翌日につけた3836円を超える過去最大の4400円以上の急落を記録、4451円(12・4%)下落の3万1458円42銭で取引を終えた。しかし翌6日の日経平均株価は大幅に反発し、前日終値より3217円04銭(10・23%)高い3万4675円46銭で取引を終えた。買い戻しの動きが広がった。上げ幅は1990年10月2日の2676円55銭を上回り過去最大となった。
また韓国の指標株価指数KOSPIは8%下落、ストックス欧州600指数も約3%下落するなど、アジアや欧州の主要な株価指数も下落した。日本、アジア、欧州、米国と「世界同時株安」が進行した。
2日に発表された米国の雇用統計の結果が市場の予想より悪く、アメリカの景気減速への懸念が世界市場の暴落の主因となった。労働参加率の上昇などに伴って失業率が引き続き上昇、賃金上昇率も引き続き低下した。非農業部門の雇用者数の伸びも大きく減速するなど、雇用情勢の悪化を示した。これに加え円高と中東情勢の緊迫化が影響したと見られる。ただニューヨーク株式市場も6日、東京同様に買い戻しの動きがあり、反発した。
景気減速を食い止めるため米連邦準備制度理事会(FRB)に早期の利下げを促す声が強まっている。
(写真)米証券取引所前に立つ「恐れを知らぬ少女象」前で撮影する観光客(5日、ウォール街近くで、写真・三浦良一)