NY市全職員に削除命令
ニューヨーク市は16日、行政の技術的ネットワークにセキュリティ脅威があるというサイバーセキュリティ管理部門の報告を受け、同市の全職員に対し、業務用の携帯端末からSNSサービスTikTok(ティックトック)のアプリを30日以内に削除するよう命じた。
同市庁舎の報道官は同アプリの使用禁止令に関し「SNSはニューヨーカーと行政を結ぶすばらしいサービスだが、安全に使用されているかを常に確認しなければならない。サイバーセキュリティ管理部門はニューヨーカーのデータを安全に守るために、定期的に先を見越した対策を講じている」と話している。約1万2000人のフォロワーを持つエリック・アダムス同市長自身も先月まで同アプリで動画を配信していたが、16日時点で「このアカウントは2023年8月までNY市が運営していた。現在は傍受されていない」と表示されている。
TikTokは中国企業バイトダンスが運営しており、米国家安全保障の専門家たちは、同プラットフォーム利用者のデータは中国共産党の手に渡る可能性があると警告している。市政を含む連邦政府関係機関が同アプリの使用を禁じることは、今年1月の23年度包括歳出法案で制定された「政府所有端末でのTikTok利用禁止法」で認められている。モンタナ州を含む複数の州がすでに同法を執行している。同州のグレッグ・ジアンフォルテ知事は同法に関し「州民の機密情報を中国共産党のデータ収集行為から守るためには最も決定的な取り組みだ」と話している。一方バイトダンス社は、同法は言論の自由の権利の憲法に反し、中国政府が利用者のデータを採取するというのは憶測に過ぎないとして告訴し、同法の撤廃を要求している。