原爆を許すまじ

NYで平和集会

教会の鐘鳴らし祈念

 NY平和ファウンデーション (中垣顕実代表)は、「NY インターフェイス平和の集い」広島・長崎の原爆式典を8月5日、8日、9日の3日間開催した。今年30回目となる式典は、5日午後5時からセント・マークス教会、ナガサキの日を8日ジャパン・ソサエティーで、9日国連教会センターで開催した。

 今年5月に行われた広島G7サミット後、最初の広島・長崎の原爆記念日をこの夏迎える。主催する中垣法師は「ロシアによる核兵器使用の脅威が高まり、ウクライナでの戦争が続く中にあって、今年の原爆記念日は重要なものだと考えています。今年の行事の目的は、コロナ後、孤立状態にある平和を願う人々を集めてピースの輪を再編成し、その輪を広げて新たな調和のビジョンを開いていくこと」と話す。(写真上:広島の原爆投下時刻に鐘が鳴らされ平和行進(5日午後7時15分過ぎ))

広島宣言を読み上げる竹内NY広島会会長

 ニューヨーク東部時間では8月5日、セントマークス教会で松井一實広島市長の広島宣言をニューヨーク広島会会長の竹内道さんが読みあげ、古本武司NY広島県人会名誉会長が祈念講演した。

 午後7時15分、広島原爆が投下された時刻にセントマークス教会の鐘が  鳴り響いた。宗派を超えた僧侶たちが教会の周りを行進し、中庭で浅田石二作詞、木下航二作曲の「原爆を許すまじ」を小池ゆうきのサックス伴奏で歌手のルーラ・レイラさんが歌った。

 8日は、長崎市長のメッセージと基調講演を木下信義NY長崎県人会会長が行った。当日は長崎の平和式典の一部(黙祷と平和宣言など)を中継した。ジャパン・ソサエティーでは津山恵子さんが総合司会を勤めた。9日の基調講演は平和文化を推進するアンワルル・チョウドリ国連永久大使が国連教会で行った。

NYに響く和編鐘

平和の集いでゆきね演奏
まつながまき舞う

 NY平和ファウンデーション (中垣顕実代表)が5日から9日まで実施した「NYインターフェイス平和の集い」広島・長崎の原爆式典=5面に記事=で、日本から今回初めて参加した和編鐘奏者・作曲家のゆきね(有機音)が平和を願う鐘をセントマークス教会で奏でた。

 イーストビレッジでこれまで鳴り響いたことのない和編鐘の音が、教会の空気を優しく包み、神聖なる思いを乗せた音の風が遠い被爆地まで静かに流れていった。和編鐘に合わせて舞を踊ったまつながまきは、殺陣や日本舞踊、白拍子舞などの日本の伝統芸能・文化と即興パフォーマンスを融合させた独自の身体表現で、鐘の舞台と聞き入る客席とを一つに結んだ。心の耳に響く鐘の演奏と美しい舞が芸術作品としてニューヨーカーを魅了した。(三)