ワシントン州の高校、今も誇りに
戦時中の原爆製造工場の町
原爆開発を扱った最新の映画「オッペンハイマー」でもキノコ雲の下でどんな惨状が起こっていたのかを1枚の静止画像ですら見せることがなかった。原爆投下は戦争の早期終結をもたらす手段であり、実際にその通り戦争はあっという間に終わったというのが、戦後78年経つ現在もアメリカが原爆投下を正当化する理由であり、今なお米国の子供たちは、原爆を落としたアメリカは、第二次世界大戦を終わらせたヒーローであると教育されている。
米国北西部ワシントン州のハンフォードは長崎に投下された原爆の製造工場があった町で、同町のリッチモンド高校のロゴは、リッチモンドのRの頭文字の上でキノコ雲が爆発しているデザインだ。学校では、被爆者のことや、壊滅的な被害を受けた被爆地の様子については教えていないのでそのことについて生徒たちは学習していない。原爆投下の理由については、パールハーバーへの報復という声が強くある。1990年代に同校の生徒が訪日し、広島と長崎の記念館を訪れ、原爆の恐ろしさをはじめて知り、帰国後、同校のロゴマークを変更する運動をして投票した結果、95%がロゴの変更には反対だったという。同校の教師マーフィー教諭は投稿動画の中で「教育こそが何よりも大事」と述べている。原爆に対する認識の日米格差は、戦後78年経っても未だ埋まらないままだ。