国勢調査局が発表
全米の成人2500万人、十分な食事取れず
記録的な物価高が続くなか、とくに食料品価格は6月で前年同月比10・4%もの上昇となっている。国勢調査局の6月のデータによると全米でおよそ2500万人の成人が過去7日間に十分な食事を取れなかったという。コロナ禍で失業率が現在の倍あった2020年末以来、最大の数となっている。アーバン・インスティテュートの調査によれば就労している人の17・3%が食料不安を経験したという。
このため生活困窮者などに食品を無料で提供するフードバンクやフードパントリーを利用する人が増加している。200のフードバンクと6000のフードパントリーと食事プログラムをつなぐ米国最大のフードバンク・ネットワークのフィーディング・アメリカの6月の調査によれば、加盟組織の65%でサービスを受ける人が増加、減少したのは5%だった。
一方、今年2月から5月の間で73%が食料品の寄付が減少したと答え、また94%が食料品購入費用が増加していると答えた。フードバンクなどへの現金寄付は今年第1四半期(1〜3月)は1億700万ドルで、昨年同期の1億5100万ドルの3分の2までに減少している。
記録的な物価高が続いているが、失業率は下がり、賃金は上昇している。賃金が上がったため、低所得者のための食料費援助であるSNAP(フードスタンプ)を受けられないことから、フードパントリーなどに頼る人も増えているという。