日本海と東海を併記 NY教育長が勧告

 ニューヨーク州教育局は8月6日付でチャータースクール(特別認可校)を含む州内の公立学校の校長に、日本海(Sea of Japan)について「東海」(East Sea)を併記するよう勧告する書簡を送った。
 キンバリー・ヤング・ウィルキンズ副局長名による書簡で「アップデート・ガイダンス・フォー・シー・オブ・ジャパン/イースト・シー」と題し、日本と韓国の歴史的背景を教えることも盛り込まれている。ただし強制力はなく教師がこれを教えなくても処罰されるようなことはない。
 トビー・アン・スタビスキー州上院議員(民主党、16区選出)とエドワード・C・ブラウンスタイン下院議員(民主党、26区選出)が州教育局に働きかけていた。両議員とも韓国系住民の多いフラッシングなどNY市クイーンズの選挙区選出議員。
 日本海の名称をめぐっては6年ほど前から韓国系団体などが「東海」に変更あるいは併記するよう州議会などに働きかけてきた。ニュージャージー州、カリフォルニア州、ミシガン州などで「東海併記」の運動が行われ、バージニア州では2014年に成立し、州知事が署名、発効している。NY州ではこれまで数度、議会上院を通過したが下院を通過できず成立に至っていない。ブラウンスタイン下院議員は次期会期にも「東海併記」の法案を提出すると述べている。
 米国連邦政府機関である米国地名委員会(BGN)は日本海が唯一の公式な名称としている。世界の海洋名称をまとめた指針「大洋と海の境界」を刊行している国際水路機関(IHO)は1928年の初版から現行の1953年版まで一貫して日本海と記載しているが、今年1月に日本と韓国で呼称問題について協議するよう勧告している。IHO総会は来年2020年に予定されている。