貴乃花さん来校 NJ日本人学校

「心の稽古」講演

 日本の大相撲の長い歴史において、平成の大横綱と呼ばれた第65代横綱の貴乃花光司さんが7月24日、相撲道の「精神」、そして日本の「心」や子供達への「育成」の理念を世界にも発信しようとニュージャージー日本人学校(臼井治久校長)を訪れ、講演した。
 当日は、児童生徒、保護者ら約100人が参加した。大きな拍手のなか、貴乃花氏が登壇し「心の稽古」というテーマで講演した。心を鍛えるためには、まず気を大切にすること、そして、日本古来大切に守られてきた各家庭での教えが土俵の中に生きていると話した。
 そのあと、DVDに収められた現役時代の取り組みを観賞。子供たちはもちろんのこと大人も平成当時の大勝負に興奮した。
 途中、四股の踏み方について説明があり、会場のみんなで四股を踏みながら心と体の鍛え方を教わった。
 質問タイムでは、「どのくらいご飯を食べるのですか」「土俵で塩をまくのにはどういう意味があるのですか」など、次々と質問が飛んだ。「タックルの衝撃はどれくらいあるのですか」という質問には、「1トンぐらいの衝撃があるかな」、また「その衝撃を逃すために股割稽古が役立っているんだよ」と、どの質問にも丁寧に答えていた。
 最後に、同校児童生徒から花束が贈られ、「相手を敬い、感謝することをこれからも大切にしていきたい」とお礼の言葉を伝えた。貴乃花さんは、「今日の日を良き思い出として心の糧にして活動範囲を広げていきたい」と話した。児童生徒にとっても、将来への夢を育むためにも貴重な1日となった。なお、今回の訪問は、報道機関が特別番組を制作するなかで実現したもの。