日本語学ぶ1万7000人

全米113大学にコース

日本語教師4100人に増加

 在米日本国大使館は今年2月、米国で日本語学習者が約1万7000人いると公表した。また国際交流基金の調査によると教育機関は2018年に米国で1446あったが21年には1241と205機関が減少したものの、日本語教師数は、2018年の約4000人から21年には約4100人に増加した。

(写真上)学生たちによる日本語研究の発表会(5月9日、ハンターカレッジで)

 「日本語学習の目的」=別表=によると、日本のポップカルチャーや文化や旅行などの人気の高い学習目的が大きな動機となっていることが分かる。

 さらに、米国の大学における日本語学部が最近増えてきており、現在、国内には113の大学に日本語学部や学科が設置されている。そのひとつニューヨークのハンターカレッジの日本語・日本文化の専攻学料が、高等教育における日本語学習の良い実例だ。

 今年5月9日、NYの日系コミュニティーの各分野で活動する日本人を訪ね、日本文化や日本語の研究をした時の成果を発表した。同大学では、学生たちに日本語のスキルを身につけるだけではなく、日本文化や社会について深く学ぶ機会を提供しているといえる。

 このような教育機関の存在が、日本語学習の普及に大きく貢献している上、大学生が日本人と異なる視点から、日本のことを分析できるようになると考えられている。

 また、JETプログラムの同窓会組織であるUS JET Alumni Association (USJETAA)も日本語の普及に貢献している。アメリカには約3万5800人のJETプログラムの同窓生がおり、日本語学習者の強いネットワークを構築している。

 特に、ニューヨークにはJETプログラムの同窓会ニューヨーク支部があり、イベントにはJET以外の人も参加できる活動が行われている。日本のグローバルシフトが進む中で、アメリカ人に向ける日本語教育が不可欠である。

 (フェデリコ・グルソン)