NY日本人美術家協会会長
ニューヨーク日本人美術家協会(JAANY)会長で創設者でもあるアーティストの飯塚国雄さんが14日、入院先のマウント・サイナイ・ウエスト(旧ルーズベルト)病院で亡くなった。81歳だった。4月初旬に新型コロナウイルスに感染して入院、約1か月間の治療を経て退院、リハビリセンターに移ったが、その後後遺症や心臓の病気で再入院、数日前より心臓疾患が悪化していた。
飯塚さんは1939年東京生まれ。逗子開成高校、お茶の水美術学院卒業後61年渡米。その後永住権を取得し、ニューヨークの「アート・スチューデント・リーグ」彫刻スクールで教鞭を執った。73年ニューヨーク日本人美術家協会を創立し、初代会長となる。
医師だった母親の愛を注がれて母子で育ち、渡米前の結婚後に探し充てたまだ見ぬ父親が被爆者であったことを知り、反核がアート活動の根源となった。95年ニューヨークの国連本部で反核個展「われわれはどこへ向うのか」展を開催。その重いテーマ性から社会派作家とも称されるが、恋人や愛をテーマにした作品も多く残しており、すべてが人間主義に貫かれていた。98年に紺綬褒章を受賞。
(写真)Mother and Child of FUKUSHIMA
acrylic on canvas, 28 x 18”, 2014