プリンストン大学 元大統領の学長除名

 プリンストン大学は6月27日、大学構内に建つビルに付けられたウッドロウ・ウィルソン第28代米大統領の名前を削除することを発表した。ウィルソン元大統領は人種差別を支持し、当時、人種的な区別がなかった連邦政府関連機関に対しても同方針に従うよう強要していたことで知られる。同大学長を務めていた1902〜10年はアフリカ系米国人生徒の通学を禁じた。2015年11月20日のフォックス・ニュースによると、同大統領は1914年、アフリカ系米国人の専門家たちに対し「人種差別は屈辱ではなく、自分たちにとっても利益があると考えるべきだ」と伝えている。また1902年発行の学術誌『ア・ヒストリー・オブ・ザ・アメリカン・ピープル』では、米国南部を守ったとして白人至上主義者のクー・クラックス・クラン(KKK)を称賛する文書を記述した。

 同大学のクリストファー・アイスグルーバー現学長は「理事会は、ウッドロウ・ウィルソン国内・国際問題大学院とウィルソン・カレッジの名前を変更することを可決した。同氏の人種差別的な思考と政策は人種差別は断固として反対するプリンストン大学の教授陣、学生、卒業生たちにとって不適当である」と話している。