米国人の希望的金額はできれば170万ドル
米国人は退職後、170万ドル(約1億8300万円)が必要と考えていることが金融サービス会社チャールズ・シュワブの調査で分かった。しかし、同社の退職プランサービスのマネージングディレクター、ネイサン・ボリス氏は「ほどんとの人がその数字にはたどり着かない」と述べている。
調査は個人年金制度401kに積立をしている全米の1000人を対象にしたものだが、積み立てているのは大半が給与の10%未満、平均で年8788ドル(約95万円)で、170万ドルにはまったく追いつかないという。
従業員給付研究所(EBRI)の今年1月の調査(現役労働者と退職者各1000人調査)によると米国の勤労者の3分の2は退職後も快適な暮らしができると確信しているという。しかし、実際に計算していたのは42%で、また医療費にどれくらいの医療費がかかるかまで計算していたのは3人に1人だった。
401k年金の最大の取扱会社であるフィディリティーによれば、現在401kの平均残高は約29万7700ドル(約3200万円)。過去10年間で466%増加したという。
快適な引退生活を送るために必要な金額は個人で違うが、65歳退職時に受け取れる金額を50万ドルとした場合、年平均6%の利回りがあるとして、20代で始めた場合、毎年年収の10%から15%を積み立てる必要がある。45歳以上で始めた場合は35%以上積み立てていく必要があるとボリス氏は指摘している。
日本では金融庁が6月、95歳まで生きるには夫婦で約2千万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算を示した。公的年金では足りないため若い頃からの資産形成など「自助」を勧める内容であったことから野党側が与党を批判、7月4日に公示された参院選の争点のひとつともなっている。