両大統領候補が激突、27日にテレビ討論会

第1回CNN主催 進行に公平なルール適用

 今年11月の大統領選挙に向けて、 81歳のジョー・バイデン大統領と14日に78歳になったドナルド・トランプ前大統領の両候補によるテレビ討論会が6月27日(木)午後9時(東部時間)から、ジョージア州アトランタで行われる。

 これまでは中立の立場で大統領選討論会委員会(CPD)が主催し、9月から10月にかけて3回ほど行うのが通例だったが、両候補はこの数十年間にわたった慣例を受け入れず、CNNとABCの討論会招待を5月に受け入れた。トランプ氏は大きな会場での開催を求めていたが妥協した。バイデン氏陣営は厳格なルールのもと参加するとしていた。ABC主催の第2回討論会は9月10日に行われる。

 第1回討論会を主催するCNNは15日に、4年前の討論会で起きたような混乱を避けるためとして一連のルールを発表した。これによれば、討論会は1時間半で、観客は入れずにスタジオで行う。キャスターのジェイク・タッパーとダナ・バッシュの2人の司会者と候補者だけで進める。

 演壇上の彼らの位置はコイントスで決められスタート。冒頭スピーチは今回はない。ペン、メモ帳、水のボトルが用意されるが、事前に用意したメモの持ち込みは禁止する。4年前は相手の発言を遮るなどして混乱したため、相手候補の発言中はマイクを切る。2回あるテレビコマーシャル中にスタッフと話したり、携帯電話の使用も禁止だ。

 このほか候補者は回答に2分、反論に1分、反論に対する反論に1分、司会者の裁量でもう1分与えられる。討論の最後に締めくくりのスピーチは行うことができる。

 両候補は各種の全国世論調査で数パーセントほどの差しかなく、ほぼ同率となっている。バイデン氏はトランプ氏を錯乱者であり民主主義にとって危険だと非難し、トランプ氏はバイデン氏を老衰で腐敗していると非難している。トランプ氏は5月30日に不倫相手への口止め料裁判で有罪評決を受けた。バイデン氏は息子ハンター氏が不法な銃器入手で6月13日に有罪評決を受けたばかり。経済や移民政策、外交などだけでなく個人攻撃などでも、4年前同様に激しい応酬となる可能性がある。

 一方、無所属で出馬している弁護士ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏だが、CNNは討論会参加条件として、指定された4つの全米世論調査で少なくとも15%の支持率を獲得することを義務づけている。ケネディ氏の支持率は13%で、20日の期限までに参加資格を得るのは難しい状況だ。

 なお、副大統領討論会は共和党全国大会後の7月に開催予定。