NY日系人会ビジネスウーマンの会
岡島さん日本の現状語る
NY日系人会ビジネスウーマンの会主催「ガラスの天井を突き破れ 日本女子サッカー界、変革への挑戦を語る」と題した講演会が7日夕、NY日系人会ホールにて開催された。講師は、女子プロサッカー「WE(Women Empower-ment)」リーグの初代チェア(理事)を務めた岡島喜久子氏。
岡島氏は、2021年に始まった日本初の女子プロサッカーリーグで初代チェアに抜擢。ジェンダー平等を目指すリーグの社会的意義を知ってもらおうと、2年4か月にわたり尽力した。この日、岡島氏はジェンダー平等実現のため「ガラスの天井を破る」ことが試された日本女子サッカー界、変革への挑戦や現状を語った。
まずは岡島氏自身のキャリアやチェアになった経緯、WEリーグについて、その取り組みなどをリーグ公式アンセム映像なども使って説明。女子サッカーを通じて、 多様性にあふれた社会の実現・発展に貢献することを理念に掲げた同リーグで行ったさまざまな試みを話した。まずは多様性を大切にし、メンズと呼んでいた選手たち(女性が好きな女性選手)にジェンダーの話をしたり、男性コーチにもLGBTQ+の教育をした。「改革は一人だけではできないが、逆境を改善するために女性を応援してくれる男性を見つけることが大切。理解をしてくれる男性たちには助けられた」と当時の苦労を語った。また、女性が活躍できる社会についても言及し、日米の女性に配慮した働き方を提供する企業の取り組みについても解説した。
会場にはNY在住でボクシング世界チャンピオンの吉田実代さんも来場。サッカーと同様にこれまでは男性のスポーツとされてきたボクシングを続けることの大変さを乗り越え、アメリカでチャンピオンになったことや、自分の受けた差別や偏見は女子サッカーにも通じるところがあり、そこに果敢に立ち向かった岡島氏の取り組みを賞賛した。
講演後の質疑応答では、「スペインでは政府が女子スポーツを奨励する法律を作り、国をあげて取り組んでいるように、日本の関係者にも話を持ち込んでいるとのことだが日本での可能性は?」との質問に「すごく時間がかかると思う。今の既得権益にとらわれていて、それを変えることは大変。取り組んではいるが道はとても遠いと思う。ただ、成果は出ている」と述べた。