日本酒利き酒会

ジャパン・ソサエティーで

 ジャパン・ソサエティーで6月21日と22日、日本酒輸出協会の講演と利き酒会が開かれた。同会は米国で活動を始めてから昨年25周年を迎え、同ソサエティーでのイベントがコロナ禍で開催できない年もあったが以来毎年行ってきた。イベントには日本から南部美人、内ヶ崎酒造店、奥の松酒造、下越酒造、御祖酒造、天鷹酒造、李白酒造、今田酒造本店、旭酒造、天山酒造、千代の園酒造の11蔵の蔵元が参加した。

 21日は日本酒伝道師のジョン・ゴントナー氏が「Flavors Across Japan」と題したワークショップを行った。各蔵のテロワールや地域性、それぞれの蔵の日本酒の特徴を紹介しながら参加者はテイスティングをした。22日はurbansake .comの創設者ティモシー・サリバン氏が「In Search of the Perfect Sip」と題した、楽しい日本酒の飲み方について講演。また今年秋にはニューヨーク州ハイド・パークに製造蔵をオープン予定の山口県旭酒造「獺祭」の桜井博志会長がニューヨークの製造蔵について講演した。 

 講演後、参加者は各蔵の約35種類の日本酒を楽しんだ。日本から参加した佐賀県天山酒造の代表取締役・七田謙介氏は「25年前にジャパン・ソサエティーで初めて開催したことを思い出し感慨深かった。未曾有のパンデミックを経て4年ぶりの会となったが、ニューヨークの皆さんの日本酒愛を感じ、改めて世界へ挑戦していく手ごたえを感じた」。島根県李白酒造・代表取締役の田中裕一郎氏は「コロナ禍もあり久しぶりにニューヨークに来たので心配していたが、日本酒を好きな人や興味を持ってくれている人が増えていてうれしかった」と話した。また、同ソサエティー・イベント事業部長の関谷朋美さんは「コロナ禍を経て4年ぶりの対面開催だったが、多くの参加者があった。ニューヨークの酒シーンもこの25年間で大いに発展した、今後も日本酒の魅力を伝えていきたい」と語った。22日は地元ニューヨークのクラフト酒ブルワリーのブルックリン・クラも参加して彼らのSAKEも振舞った。(石黒かおる、写真も)