ストーンウォール反乱の歴史大行進

 ニューヨーク市のLGBTQの歴史の継承を促すポッドキャスト「メイキング・ゲイ・ヒストリー」と非営利団体NYCLGBTQヒストリック・サイト・プロジェクトはプライド月間の今月、ストーンウォールの反乱の歴史を伝えるプロジェクトをクリストファー・パークでスタートした。 

 同プロジェクトは、音声技術「トーキング・スタチューズ」を利用し、ストーンウォール・イン向いの同公園内にある4体の白い銅像のそばにある標識のQRコードをスマートホンで読み取ると、銅像たちが語りかけるようにストーンウォール・インの反乱の歴史を聞くことができる。音声収録には、ミュージカル「お熱いのがお好き」のジェリー/ダフネ役でノンバイナリー公言者としては初めてトニー賞を受賞したばかりのJ・ハリソン・ギーさんをはじめとする5人のLGBTQの著名舞台俳優たちが協力した。NY市内には「トーキング・スタチューズ」技術を利用した銅像や記念碑は30か所以上あるが、LGBTQの歴史を語る銅像は国内初だという。 

 グリニッジ・ビレッジのゲイバー「ストーンウォール・イン」は、1969年6月28日、踏み込み捜査を行った警察とLGBTQ当事者たちの対立が暴動に発展し、現在に至るLGBTQの権利獲得運動の発祥の地として知られ、米国定歴史建造物に指定されている。今回のプロジェクトに使われている4人銅像「ゲイ・リベレーション」は、アーティストのジョージ・シーガル氏がLGBTQの権利と連帯を象徴する国内初のパブリック・アートとして80年に制作し、92年にストーンウォール国立記念碑の一部として同公園に寄贈した。 

(写真右:25日に開催されたプライドパレード(植山慎太郎撮影))