海外旅行保険値上げ

昨年10月から倍僧

昨年10月まで20万8490円→今年7月から44万8370円
東京海上日動、7月から

 保険大手の東京海上日動の海外旅行保険料が7月1日以降の加入から大幅値上げされる。

 例えば、30歳以上69歳以下の一般的なプラン(傷害・疾病死亡1千万円、治療費用3千万円、治療後障害1千万円、賠償責任1億円、その他携行品損害10万円や航空機遅延や手荷物等含む)の1年間の保険料は、現行の30万3960円が44万8370円に値上がりする。昨年10月も20万8490円から30万3960円と大幅な値上げがあったばかり。

 70歳以上も同様に大幅上昇、51万650円が93万4720円となる。一方で29歳以下の値上げ幅は小さく20万8490円が24万570円となる。また31日以下などの短期渡航も値上げ幅は小さい。

 損害保険の料率改定は金融庁の認可が必要なため、理由もなく大幅に値上げされることはない。すでに損害保険ジャパンや三井住友海上火災は、4年ほど前から前記同様の一般的プランの年間保険料は45万円以上になっていた。新興国などでの治療費高騰や円安で保険金支払額が膨らんだのが原因だ。また長期になるほど、高齢になるほどケガや病気のリスクが高くなるため保険料も高くなるが、定年後に長期旅行を楽しむ高齢者も増えているという。

 東京海上日動も「医療費水準上昇に伴い支払保険金の大部分を占める治療・救援費用等の支払保険金単価が上昇していることに加え、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大および円安の急激な進行、そして海外渡航者の高齢化等を背景として、損害率が悪化した」ことを値上げの理由としている。

 現在、主要保険会社の一般的プランの年間保険料は、損害保険ジャパンが50万570円、三井住友海上火災が48万6270円、あいおいニッセイ同和損害保険が48万6270円だ。AIG損害保険が24万9640円、チャブ(Chubb)損害保険は21万4460円だが、両社とも長期契約には厳しい条件がある。東京海上日動の海外旅行保険は必ずしも一時帰国する必要はないなど、条件がそれほど厳しくなく幅広い人に利用されている。コロナ禍で一時帰国が難しかった時期も助かったと思った人は多かったと思われる。7月1日の料金改定を前に駆け込み加入が増えそうだ。