令和2年秋の叙勲で、旭日小綬章を受章したスーザン・順・大沼さん(弁護士、ニューヨーク日系人会/JAA会長、元米日カウンシル書記役兼創設理事)への叙勲伝達式が6月23日ニューヨーク日本国総領事・大使公邸で行われた。功績は米国における日系社会の福祉向上及び日本・米国間の友好親善に寄与したこと。
大沼さんは2004年にニューヨーク日系人会(JAA)に「女性実業家の会」(現在の名称は「ビジネスウーマンの会」)を立ち上げ05年に、女性として初めてJAA会長に就任すると、同年に「邦人・日系人高齢者問題協議会」を設立。07年には、講演会や相談室を中心とした「シニア・ウィーク」を新設し、日本人・日系人高齢者の福祉の充実に尽力。2016年には内容をさらに充実させた「秋のヘルス・フェア」へと発展させた。2011年3月に東日本大震災が起きた際、JAAが速やかに救済基金を設立できるよう尽力し、百万ドルを超える基金を集めることに貢献。2020年4月には、新型コロナウイルスの感染が拡大した当地で自宅待機を強いられる日本人・日系人の高齢者・障害者に対して週一回日本食の弁当を無償で届ける「プロジェクト弁当」を当地日系企業とともに立ち上げた。
スーザン大沼さんの喜びの言葉「高校生の時に父を亡くし、大学に進学するためにJAAの奨学金制度に応募したことがJAAとの最初の関わりで、法学部を卒業後JAAの会員になった。いくつかの団体の代表にこれまでなったが、日系人会会長職ほど情熱を注いできた仕事はない。読書と勉学と写真の楽しみを教えてくれた父、自由に仕事をさせてくれた夫、日系社会とクライアントに弁護士としていかに関わるかを教えてくれた弁護士で元日系人会会長のフランシス曽木さんら、いまは亡き3人の男性に人生を支えられ、そして今年91歳になる母からは今も髪の毛の手入れで注意されるほど愛情を注がれて今日の私がある。49歳の時に創立100年間近い歴史あるJAAの初代女性会長になり今日まで来れたのは、私の怖いもの知らずの性格だけでなく、事務局長の野田さんはじめ三上、宮北両スタッフ、大勢の人に支えられこの栄誉ある章を受けることができたのだと思っている。コロナからの社会の再開でまた皆様と一緒に力を合わせて助け合っていきたい」。
(写真)山野内大使(左)から叙勲伝達される大沼さん