国連NGOに承認

国連平和の鐘を守る会、地味な活動実る

6月25日審査・協議 同日承認、効力発効

髙瀬代表

 ニューヨークに本部を置く国際連合グローバルNGOエグゼクティブ委員会(パトリック・シアラッタ会長)は6月26日、日本の国連平和の鐘を守る会(本部東京都、髙瀬聖子代表)から申請が出されていたNGO(非政府組織)への加盟について、前日開かれた25日の委員会で審査・協議し申請が承認されたことを通達した。即日国連NGOとしての身分が発効した。これにより、同団体は国連の民間の外郭団体としての位置付けを得られ、さまざまな国連主催のイベントへの参加、配布物の支給、職員採用情報などの提供を無償で受けることになる。国連憲章に基づくNGOは、国際連合と連携を行う民間組織と定義されており、この文脈での非政府組織は、国際連合と協力関係にある国際組織と同義と考えられ実際に、国際連合が連携・協議する国際的な非政府組織は、国際連合NGOとも呼ばれ、国際政治を動かすほどの影響力を持つ。営利団体、政党、基金は除外される。

 国連平和の鐘は1951年、第6回パリ国連総会に出席した日本国連協会理事で、元愛媛県宇和島市市長の中川千代治氏が、「国を越え宗教の違いを越えて、平和を願う世界の人々のコインを入れた平和の鐘を造りたい」と当時の国連加盟国に訴え、国連事務次長ベンジャミン・コーヘン氏の協力を得、趣旨に賛同した65か国の代表者からのコインとローマ法王ピオ12世から受けた金貨9枚を入れて、高松市の多田鋳造所の協力で製造され、日本が国連に加盟する2年前の1954年に寄贈された。毎年春分の日と9月21日の国際平和デーに合わせて、国連総会の開催時に国連本部前の日本庭園にあるこの鐘が鳴らされ、国連日本政府代表部がイニシアチブを執って例年国連事務総長と国連総会議長が国連幹部、各国代表者出席の下、世界平和を祈念して鐘打式を行っている。

国連NGOに承認されて

 2021年6月26日早朝、国連からメールが入った。「国連平和の鐘を守る会の活動が、国連グローバルコミュニケーション局のDGCの市民社会協会委員会で会議し、承認したことをお知らせします。おめでとうございます」とメッセージを頂いた。振り返れば、国連平和の鐘を守る会の活動を始めて8年、国連の平和の鐘の原点と創始者中川千代治の思いを知って頂きたくて、一人一人に訴えて歩いた。この地味な活動がついに国連NGOとして認めて頂けたことは夢のようです。これを励みに、この活動を地道に世界に広めていきたいと思っております。                     (一般社団法人国連平和の鐘を守る会代表髙瀬聖子)

(写真)国連本部の日本庭園にある「平和の鐘」