米国郵便公社
第二次世界大戦で活躍
米国郵便公社(USP)は3日、第二次世界大戦中に米国のために戦った日系兵士たちを讃える記念切手「Go for Broke(当たって砕けろ)」を発行した。ヨーロッパ戦線で米部隊救出作戦に大活躍した日系二世第100歩兵大隊442部隊のほか陸軍情報部(MIS)、第1399工兵部隊、陸軍省情報局や陸軍病院看護婦として従軍した日系男女約3万人の勇気と米国へ貢献を示すもの。
442部隊は、士官などを除くほとんどの隊員が日系米国人の若者により構成されていた。ヨーロッパ戦線に投入され、枢軸国相手に勇戦敢闘した。その激闘ぶりは連隊に従軍した約1万4000人のうち、死傷率は314%であり、この数字は1人平均3回以上死ぬような大けがをしたということを示している。そして9486人がパープルハート章(日本語では名誉負傷章、名誉戦傷章、名誉戦死傷章などとも訳される)を獲得した。アメリカ合衆国史上もっとも多くの勲章を受けた部隊としても知られる。
特にこの部隊の活躍を全米に響き渡らせたのが米軍テキサス大隊の救出作戦だった。1944年10月24日、第34師団141連隊第1大隊、通称「テキサス大隊」がドイツ軍に包囲されるという事件が起こった。彼らは救出困難とされ、「失われた大隊」と呼ばれ始めていた。10月25日には、442部隊に待機命令、翌26日には救出命令が下り、部隊は出動した。休養が十分でないままの第442連部隊は、ボージュの森で待ち受けていたドイツ軍と激しい戦闘を繰り広げる。10月30日、ついにテキサス大隊を救出することに成功した。しかし、テキサス大隊の211人を救出するために、第442部隊の56人が戦死し、約800人が負傷した。救出直後、442部隊とテキサス大隊は抱き合って喜んだが、大隊のバーンズ少佐が軽い気持ちで「ジャップ部隊なのか」と言ったため、442部隊の日系少尉が「俺たちはアメリカ陸軍442部隊だ。言い直せ!」と激怒して掴みかかり、少佐は謝罪して敬礼したという逸話が残っている。
また日系人女性1万人も陸軍省で情報・軍需業務をはじめ日系人収容所から米国看護教練生部隊へ志願して米陸軍病院で従軍した。発行された切手は、ハワイの日系兵士の戦時中の写真をモデルにした活版印刷風のデザインで、英語の文字が日本語の縦書きをイメージして縦に寝かせてレイアウトされている。現代的なシール切手だが、輪郭は直線ではなく、昔ながらの波状で古風な雰囲気を出している。通常切手(フォーエバースタンプ)として現在全米の郵便局で販売。1枚55セント。特別消印封筒も米国郵便公社のホームページで販売している。https://store.usps.com