文化の絆で日米結ぶ

ジャパン・ソサエティー年次総会

 ジャパン・ソサエティー(JS)は18日、2020年度年次総会・授賞式をオンライン方式で開催した。基調講演はダニエル・P・エイモス氏(アフラック社・会長兼最高経営責任者)を迎えて行われ、JS賞は狂言師の野村万作氏に贈られた。

 特別ゲストとして安倍晋三日本国内閣総理大臣、元ニューヨーク州知事のジョージ・パタキ氏、元駐日米国大使のキャロライン・ケネディ氏、駐日米国臨時代理大使のジョセフ・M・ヤング氏からのビデオメッセージを紹介した=写真はいずれもJS提供・©Japan Society (NY)=。司会進行はJS理事長のジョシュア・W・ウォーカー氏と、東京からタレントのアンミカさんが担当した。

 当日は新型コロナウイルス感染症の最前線で対応にあたる医療従事者に敬意を表し、ニューヨークの米国日本人医師会と日本の国立国際医療研究センターの国際感染症センターを表彰した。エンターテインメントとして、メトロポリタンオペラ・リンデマン・ヤング・アーティストのピアニスト/コーチの青木ゆり氏と、同ソプラノ歌手のユヌエット・ラグーナ氏によるパフォーマンスが披露された。

 視聴者の22%が日本、寄付金として100万ドル以上が集まり、今後JSの主催するさまざまなビジネス・文化・芸術プログラム活動に対する助成金として活用され、日米交流のさらなる発展に役立てられる。

 安倍首相は「コロナウイルスは、人類に未曾有の危機をもたらしている。この大きな危機に対して私たちは、自由、民主主義、基本的人権、法の支配という普遍的な価値観を共有している。ニューヨークではこうした努力により感染状況を乗り越えつつある。私は延期された2020年東京オリンピック、パラリンピックを人類が新型コロナウイルスとの闘いに打ち勝った証として来年の夏に開催する決意だ。日米の同盟関係、友情は不変だ。これまで100年以上にわたって日米の友好関係を育んできたジャパン・ソサエティーが、今後米国でより多くの人々の協力を得て一層大きな役割を果たしていくことを願っている」とビデオメッセージで挨拶した。

 JS賞を受賞した野村氏は「狂言というのは、素晴らしく幅が広いということを父から学んだ。その私を通して倅の萬斎に受け継いでもらっている。今後も大いに海外との交流をさせていただこうと思っている。88歳だが、もうちょっと頑張ってNYの皆さんに一家で野村狂言の芸風をお見せできればいいなと思っている」と挨拶した。

(写真)ビデオで祝辞を述べる安倍総理大臣