これだけは知っておきたい日本の医療・介護と法的サービス

山口さん解説

 ニューヨーク日系人会(JAA)主催第16回春のヘルスフェアで、NY日系ライオンズクラブが企画したプログラム「ライオンズ大学:大人の教養講座シリーズ」第8弾が4月20日からスタートしている。第一限の講師は、山口里美氏(一般社団法人日本リレーションサポート協会代表理事)が「これだけは知っておきたい!日本の医療・介護とリーガルサービス」と題して講演している。

 日本では国民皆保険制度が維持されているが、いつまでも入院していることはできない。一般病床の種類は、急性期病床(病気を発症して間もない時期で14日以内、15日から30日以内の退院を誘導。できる限り早く転院・退院させたいケースが多い)、回復期リハビリテーション病床(病気発症から1、2か月後でリハビリで低下した能力を取り戻す病床、疾患により退院期日が決まっている)、地域包括ケア病床(病状が安定した患者に対して退院支援医療を提供する。疾患にかかわらず原則60日以内の退院が必須)の3種類がある。

 日本の高齢者施設は費用が安くて介護度が高い介護保険施設=特別擁護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院の人気が高いが競争率も高い。有料老人ホームには住宅型と介護付きがある。

 ケアマネージャーについての説明では、地域包括支援センターと居宅介護支援事業所のサービスの違いを解説した。続いて介護保険サービスの範囲について、介護保険法に定める、できることとできないことについて詳細を解説。例えばできることは、その場にいる利用者がいなくてはならないこと、本人に対する行為のみに限定されていることなどを紹介。生活援助での買い物も、酒やたばこなどの嗜好品や家族用の買い物をついで頼んだりすることもできない。ケアマネージャーやヘルパーがなんでもできるわけではない。

 財産管理は、まだ判断能力がある間に、自分の財産を管理してくれる任意後見人を指定しておく。元気なうちに公証役場で公正証書を作成することで成立。不足の事項については、正しいリーガルサービスの提供業者に依頼する必要がある、などと解説した。最後にシニアの心配事を無料で相談できるサロンも紹介した。帰国前にWEBサイトで相談することができる。動画リンクは https://youtu.be/SOAFr-G_2Us