米国で書店が復活

大手や独立系が続々NYで再開店

 大手書店チェーンのバーンズ・アンド・ノーブルは、コロナ禍で閉店したアッパー・イーストサイド店を新たなロケーション(3番街1556番地、東87丁目)で7月12日に再オープンすると発表した。 

 同社のエイミー・フィッツジェラルド副社長によると、2009〜19年、同社の新規出店舗数は年間1、2店舗程度だったが、今年はすでに16店舗が開店し、ブルックリンのアトランティック・アベニュー店を含め今年中にさらに30店舗を新たにオープンする予定だという。同新店舗は、デュアン・リード跡地の築約100年の歴史を思わせる趣のアゴラ・ビルディング内で、同CEOのジェームズ・ダウント氏は声明で「パンデミックの最中に閉店を強いられたのは非常に辛かった。書籍販売は、ほかのどこでもなくNYで再興している。多くのイベントが再開しているように、書店もエネルギーを発揮し始めている」と伝えている。 

 ネット通販や電子書籍の普及で多くの書店が閉店を余儀なくされたが、昨年7月10付のNYタイムズ紙の記事によると、米国内で過去数年間に新規オープンした個人経営の書店は300店を越え、今後2年間でさらに約200店舗がオープンすると推定されている。NY市内でも、グリーンポイントのボデガ裏の隠れ家書店やベッド・スタイのビンテージ専門書店など、個性的な独立書店が復活しつつあると伝えている。 2004年にノリータ地区で開店した独立系書店「マクナリー・ジャクソン」が5店舗目、最大規模となる支店をロックフェラーセンターにオープンした。書籍の取り揃え方に個性があり、文房具が充実している。日系では紀伊國屋書店NY店が西41丁目ブライアントパークに面した6番街に地下1階地上2階の店舗を構えており、1階は完全にアメリカの書籍だけ、2階はアニメ・漫画専門フロアになっていてアメリカ人客で連日賑わいを見せている。

(写真)ロックフェラーセンターに出店したマクナリー・ジャクソン