ビル・デブラシオ・ニューヨーク市長(58)は16日、2020年の大統領選に出馬することを発表した。
ユーチューブ動画の宣伝広告で同市長は「労働者家族を第一に(ワーキング・ファミリーズ・ファースト)」をスローガンに挙げ「大統領として、米政府が労働者に仕えるまで、富裕層と大手企業を相手に戦う」と伝えている。また最低賃金の引き上げや有休病気休暇の拡大、プリKの無料化、不法移民のための医療カードの配布など、国内最大都市の市長として果たした功績を主張している。
同市長は、ニューハンプシャー州を含む期日前投票を行う主要州を訪れ、同市庁舎の職員を連邦政治活動を行う委員会に移動させるなど、今年初頭から出馬の姿勢を見せていた。同市長はすでに20人以上の民主党候補者たちに加わることになるが、クイニピアック大学が昨月行った調査では、ニューヨーク市の有権者の76%が同市長の出馬を望んでいないことが分かった。同日ABCテレビ番組「グッド・モーニング・アメリカ」に出演したデブラシオ市長は同結果に対し、「一般的に世論調査はスタート地点ではなく、終わりの場所」と話した。「労働者の手にお金を戻す」という発言に対し、タイムズスクエアのABC局のスタジオ外に集まった抗議者たちは「(同市長は)嘘つき。ニューヨーク市を運営できずに、どうして国を動かせるのか」と叫んだ。
トランプ大統領は、同発表後すぐにツイッターで、「彼はジョークだ。でももし市民が高い税金と高い犯罪率を望むのであれば彼は適任だ」と綴った。
市民の声
庶民派期待も
デブラシオ市長の出馬についてニューヨーカーに聞いてみると、「彼は、私が子供の時、パークスロープの女子サッカーチームのコーチだったんです。近所のおじさんって感じ。今度ももちろん応援するわ」(Sさん)、「庶民派なので好きです。出馬はいいと思う」(Kさん)という声に対し、「国の政治の前に、ニューヨークの地下鉄をなんとかしてほしい。週末の運休とか平日の遅延とか」(Jさん)、「マイノリティー優遇政策などに、アフリカ系アメリカ人の奥さんを上手に使っているようなので、あまり好きじゃない」(Sさん)といった声も聞かれた。(関連記事4面に)