フィラデルフィア・桜祭り

日米の絆深める春の祭典

 晴天に恵まれた4月13日と14日、フィラデルフィアのフェアモントパークで「スバル桜ウィークエンド」が行われ、今までの最高記録となる総勢約5万人が参加し春の恒例行事を満喫した。フィラデルフィアと日本の結び付きは長く、1926年に日本政府がアメリカ独立150年を記念し、フィラデルフィア市に1600本の桜を寄贈したことから始まった。1998年から2007年にかけて、フィラデルフィア日米協会は10年間に渡り1000本の桜を市内にあるフェアモントパーク公園に植樹し続け、2023年から「フィラデルフィア・桜祭り」が毎年春に開催されるようになった。車のメーカーである「スバル」が主要スポンサーとなり、今では地元だけでなく遠い郊外からも数万人が訪れるフィラデルフィアを代表する春の風物詩となっている。

 今年は3月24日より「桜ウィーク」が始まり、フィラデルフィア各地にある重要な文化財で新たな歴史を刻む色々なイベントが行われた。竹久夢二の生誕 140周年を祝い、彼が繋いだ大正ロマン溢れる邦楽と洋楽の宴を皮きりに、アメリカ独立国立歴史公園でフィラデルフィアの桜まつり開催を祝う式典が行われたりもした。2年後に迎えるアメリカ建国250周年を記念して、2026年までにフィラデルフィアに更に250本の桜の植樹が計画されており、その花は両国間の長年にわたる友情の証となっている。

 迎えた「桜ウェークエンド」では、4月12日にThe Fallser Club (フォルサークラブ)で前夜祭が行われ、書道家で文化庁文化交流使の海老原露厳氏による書道パフォーマンスや、さまざまなジャンルの踊りや演奏が会場を盛り上げた。4月13、14日のフェアモントパークのイベントでは、和太鼓演奏・コスプレショー・カラオケ大会・ダンスパフォーマンス等の情熱溢れるパフォーマンスが繰り広げられ、参加者の心を躍らせた。着付けや茶道などが体験ができるブースに加え、祭りを賑わす屋台・クラフト・お土産などの出店も多く、参加者はフィラデルフィアにいながら、まるで日本にいるかのようなひとときを堪能した。最終日には、フィラデルフィア市長のシェリー・パーカー氏やニューヨーク総領事の森美樹夫大使が参列し、フェアモントパーク敷地内で厳かに桜の植樹式が行われた。

 フィラデルフィア日米協会が継続して植樹している桜は、今後も長く続く「日米の友好のシンボル」として国境を越えた絆を育んでいく。