日本人乳がんシンポジウムを前にZOOM意見交換
日系女性団体が初参加
BCネットワーク@イーストコースト・サウス30日に
ブルックリンとダラスの代表本音で語る
乳がんに関する最新情報や早期発見の啓発活動を行う非営利団体のBCネットワークが30日(日)午後2時から4時30分(東部時間)まで、ニューヨーク日系人会(45丁目9番地5階)でのライブ会場とオンラインのハイブリッド形式で、第4回「日本人乳がんシンポジウム@イーストコースト・サウス」を開催する。
ロズウェルパークがんセンター・乳腺外科主任教授の高部和明医師、婦人科医師・準教授・コロンビア大学病院の常盤真琴医師が講演するほか、ロサンゼルス在住・サバイバー・キャラ弁アーティストの井村紀子氏が「再発・私はどうやって再発を乗り越えたか!」と題し経験者トークを行なう。司会は久下香織子キャスター。特に今回から、協力団体としてブルックリン日系人家族会とダラス日本人女性キャリアウーマンの会が参加する。ブルックリンとダラスから参加する団体の代表とBCネットワーク代表の山本さんがZOOMで座談会意見交換した。司会は本紙・三浦発行人が担当した。
山本=ブルックリンとダラスの女性団体に今回から参加していただいたのは、活動目的はまったく異なっていても、日本語を話す日本人女性たちを対象に婦人科系医療のことを広めていきたいとの思いで、これまで医療系団体だけとの共催でやってきたが、今回から初めて女性団体にも協力団体として加わっていただきました。
平川=8年ほど前から山本さんに声をかけていただき、現在160人ほどの児童生徒がいるブルックリン日本語学園でも講演していただいた経緯があります。保護者を中心に30代から50代までが日本人家族会として学校運営や地域を含めた運動会などの地域活動をしていますが、実際にコミュニティーの中で乳がんで亡くなられた方もいて、手伝ってくれる家族がいないアメリカで、サポートし合うことの大切さ、助けあうことが大事だと痛感しています。他人事ではないですよと伝えていきたい。日本語で婦人科医療に関係する説明や講演を聞けることはとてもありがたいこと。
北村=ダラスには日本語が通じるクリニックが1か所ありますが、医師はジョージアやオハイオと兼務で常駐ではないため、日本語で医療のサポートを受けることはニューヨークと比べて、限られています。DJCWのネットワークを通じた情報交換でも、医療を目的とした情報は常にあるわけではなく、月に1度のニュースレターで、今回のBCネットワークのサウスがあるということなどを知ってもらっている状況です。今回のような婦人科医療セミナーには一人でも多くの人にオンラインでも参加してもらいたいと思っています。日本語による医療サポートがある環境はとても有意義でとても助かります。
山本=日本と米国の医療の最大の違いは、医療保険制度。よくアメリカは医療費が高いと言われますが、予防医療にいついては40歳以上であればマンモグラムの医療保険が使えます。日本で病にかかってから初めて医療保険が使えるのとは大きな違い。また2親等以内にがん病歴がある、家族歴のある人は30代でも保険が使えます。アメリカでは家族歴などリスクのない人が30代で、ただマンモクラムなどの検診をしたいと言っても無用だと言われます。40代を迎えたら気をつけてくださいということです。
ZOOMに参加した団体紹介と参加者プロフィール。
ZOOMに参加した団体紹介と参加者プロフィール。
■BCネットワークの創設者である山本眞紀子さん。同団体は、2005年8月に設立し、乳がん早期発見促進のための啓蒙活動を行なっている。ニューヨーク周辺だけでなく、10年前から西海岸(ロサンゼルス近辺とサンフランシスコ近辺が中心)ハワイ、テキサス州・南部地方を含めた日本人・日系人女性たちにも対象を広げて活動を拡大。設立18年を迎え、 設立の目的を少し変更して、乳がんだけでなく、婦人科系の疾患の啓発にも広げる計画。女性の活動に関係のある他の日本人非営利団体グループとの連携を高めていくことも、今年から5年間の計画に入っている。
■ブルックリン日系人家族会(Brooklyn Japanese American Family Association、略称BJAFA)の理事でCo-Founderの、ヤン平川美紀さん。BJAFAが運営している土曜日の補習授業校、ブルックリン日本語学園では、事務局として携わっている。仕事としては、New York Lifeにて、コミュニティの人々のファイナンシャル・リテラシーを高め、不安を取り除けるようサポートをするエージェントをしている。BJAFAは、2011年2月に設立。大きく分け4つの分野で活動している。(1)日本人・日系人の子供達に日本語&日本文化を伝えるための活動。(2)日本人・日系人家族同士、そしてその子供達同士を結びつけるための活動。(3)日本人・日系人家族のよりよい生活を支援するための活動。(4)上記をサポートするための情報発信と啓蒙活動。
■ダラス・ジャパニーズ・キャリアウーマンの会(Dallas Japanese Career Women、略称DJCW)を運営する北村祐子さん。同団体は働く日本人女性を支援するNPO法人として2018年5月に設立。登録メンバーは14か国580人。ネットワーク、インスパイア、エンパワーをキイワードに活動している。在米25年。テキサス州ダラスにある大手日系企業にて勤続22年目。現在はディレクターとして半導体サプライチェーン業務に関わる傍らDJCWを運営。並行してテキサス大学ダラス校で教鞭を取る。趣味はヨガ、エレクトーン、夫との旅行など。
シンポジウムに関する問い合わせはEメール:info@bcnetwork.orgまで。