利用者の不安解消のため
自動現金引き出し機(ATM)の利用時間を短縮する動きがニューヨーク市で進んでいる。ATMは1980年代に登場して以来、銀行窓口が開いていなくても現金が引き出せる便利な機械として長年使われているが、最近の犯罪の多発と安全維持問題などにより、一部ATMは24時間の稼働を止めたり、利用時間を短縮するようになった。
2020年2月、ブロンクスにあるバンク・オブ・アメリカのペラムパークウェー支店のATMのホールで女性が暴行を受け死亡、2021年8月には金融街にあるチェース銀行のATMの前で、斧を持った男に50歳の男性が襲われる事件が発生、今年1月19日には早朝、ミッドタウンにあるチェース銀行支店のATMで男が別の男性に熱いコーヒーを投げつける事件が発生した。
最近、チェース銀行はブルックリンハイツやロングアイランドシティーなどの支店のATMの夜間使用を中止し、午後5時ないし6時に閉めるようになった。HSBCの80の支店を昨年買収したシチズン銀行も、公共の安全を理由に夜間は閉鎖することにしている。ほかの銀行も営業時間短縮を進めている。ATM協会によれば、ニューヨーク市に限らず全米の主要都市ではATMの設置スペースがホームレスや犯罪を引きつけており、安全・清潔に維持をするのに苦労しているという。新型コロナの流行でますます状況が悪化し、多くの銀行がATMの営業時間を短縮しているところが多いのが実情だ。