ニューヨーク州の前知事のアンドリュー・クオモ氏(民主党、67)=写真(Photo:wikipedia.org/wiki)=が1日、ニューヨーク市長選への立候補を表明、6月24日の市長選の民主党予備選に向けた指名争いに加わった。
クオモ氏は動画で、貧困や犯罪など市が直面する課題を指摘し、「民主党指導部は失敗した」と批判、「ニューヨーク市を建て直し、私たちの街を救うための大胆な行動計画を開始する必要がある」と述べた。民主党が強いニューヨーク市は民主党予備選の勝利者が市長になる公算が大きい。
クオモ氏の出馬により、市長選の構図は大きく変わる。今年2月のエマーソン大学の世論調査ではでクオモ氏の支持率は33%と、現職エリック・アダムス市長(民主党、64)の10%、スコット・ストリンガー前市会計監査官(民主党、64)の8%、ブラッド・ランダー市会計監査官(民主党、55)の6%などを大きく引き離している。
再選を狙う現職のエリック・アダムス市長(民主党、64)は汚職疑惑の渦中にあり、市の高官が相次いで辞任するなど市政は混乱。加えて移民対策でトランプ政権に協力する見返りに、汚職事件での起訴を取り下げるよう求めたとして激しく批判されている。
クオモ氏は2011年から州知事を務め、新型コロナウイルス対策などで指導力を発揮し、大統領候補の声も出るほど人気があった。しかし21年8月、レティシア・ジェームズ州司法長官(民主党)が女性11人に対するクオモ氏のセクハラ行為を認定する報告書を発表、バイデン大統領(当時)からも辞任を求める声が出て、知事辞任に追い込まれた。