国連で世界水会議開催
大西熊本市長が出席
水サミットの成果などを報告
大西一史熊本市長が3月21、22の両日、国連本部で開催された「国連水会議2023」で「第6回国連水と災害に関する特別会合」とサイドイベントに出席して同市の昨年の水サミットの成果と共に世界から高い評価を得ている市民・行政の連携・協働による地下水保全の取り組みを世界に向けてスピーチした。
熊本市は、市民の水道水の100%を地下水で賄っている日本一の地下水都市。清らかで豊富な地下水は、社会活動を営むうえでさまざまな用途に利用されており、人口約74万人を擁する都市で、水道水の全てを地下水で賄っているところは、日本全国でも他に例がない。
同時に都市圏の拡大や産業経済の進展に伴い、地下水の減少による地下水位の低下や、硝酸性窒素などによる水質の悪化が見受けられるようになり、市民生活や水環境への影響が懸念されている。そのため、熊本市が熊本地域の市町村と協力し、さまざまな地下水保全対策を実施している実態なども報告した。
24日の最終日には水フォーラム主催のレセプションがジャパン・ソサエティーであり、大西市長が乾杯の唱和で登壇し、挨拶した。
大西市長は「水問題の解決の道筋を世界と一緒になって考えていかなくてはならない。気候変動や災害、民族紛争が続いている中で、熊本市が市政始まって以来初めて国連で世界に向けて取り組みを発信できた意義は大きい。ローカルのレベルで人々が水問題を意識し、方向性を導き出せば困難な問題に対しても対処できる。熊本は地震などさまざまな災害も多く、それを乗り越えるためにも水はとても大切だ。水の問題を若い世代が担っていくためにも青少年育成のプログラムは大切で、地元高校生の今回の国連派遣も大きな意味があった。滞在中にWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)があり、まさかアメリカのテレビ中継で(熊本出身の)村上の活躍を見るとは思わなかったが、水問題でも村上や大谷のような世界に通じる若者たちが出てくることを期待している」と話した。
(写真) 閉会レセプションで乾杯の挨拶をする大西熊本市長( 24日午後、NYジャパン・ソサエティーで)